2013年1月31日木曜日

木材の高騰がはじまりました

じわじわあがり始めていた木材価格が急激な高騰をはじめてしまいました。
これは、予想されていたことです。
消費税増税が決まったところで、時間の問題でした。
それに、円安。
消費税増税によりそれ前に建てようとする駆け込みが起こるのは当たり前のことです。
当社でも 大変なことになっています。
当社のような小さな工務店では契約させていただいた順番に建てることしか出来ませんから、もうそろそろ消費税前に建てることは出来なくなります。
ごめんなさい。
より多く建てることが出来る大手もありますから、材料が足りなくなります。
そこで、価格が上がってきてしまうわけです。
円安も大きな要因です。
梁や桁、合板などの構造材は輸入した木材で造っていることがほとんどですから、円安になった分だけ高くなってしまいます。
最大手の工場が2月から20%も値上げすると情報が入ってきました。
消費税の3%アップの話どころではないですね。
当社も徐々に値上げして行かざるをえないようです。
まだ木材の価格だけですが、これからどんどんあらゆるものが上がっていくでしょう。
鋼材の値上げ、コンクリートの値上げもはじまるようです。
キッチンやシステムバスなども上がるでしょうね。
きちんと契約しないとメーカーに金額を約束させられませんし在庫しておくことも出来ません。
困りますね。
資材を確保しておきたい方は、早めに申し出てください。
高騰する前に押さえます。
当社倉庫には材木屋さんに負けないくらいの在庫がありますが、今ご契約いただいている方の分だけで精一杯です。
このまま高騰すると、消費税後に景気が冷え込んでから造った方が安いなんてことになりますね。

新しい断熱にチャレンジ

先日、パッシブハウスジャパンの総会がありました。
とても、内容の濃い実りの多い総会でした。
そこで、メーカーさんとお会いできる機会があったので、当社で考えていた、新しい断熱の方法をお話ししてみましたところ、興味を持っていただきました。
高橋建築で試してくれるなら材料をサンプル出荷してくださるとのこと。
すぐに、上棟したばっかりのお施主さんにお話しし、快く実験台になっていただくことが決まりました。
メーカーサイドからは、ノークレームでという条件付で。
いろいろ検討した方法なのでリスクはほとんどありません。
ご安心くださいねっ!
うまくいけば、とてもやりやすい方法で効果的な断熱が出来るはずです。
どのくらいの効果が出せるか今から楽しみです。

細かい納まりを検討しておかなくては。。。。。


岐阜の工務店視察

昨日、岐阜の工務店の視察に行ってきました。
この工務店は、たぶん日本で一番の温熱環境の工務店だと思います。
いつか見学させてもらおうと思っておりましたが、今回、ようやく機会に恵まれました。
工事途中の現場を3現場も見せてもらい 5年前に建てた測定中のモデル棟、昨年建てたモデル棟の見学が出来ました。
出し惜しみ無く、あらゆる技術を公開してくれ、大変参考になりました。
そこで、凄いのは土壁です。
どうして今、土壁なのかと疑問もあるかと思います。
断熱を多くしていくととても省エネで快適になっていきます。当社の住宅もそうです。
むしろ、この工務店さんより断熱性能は高いくらいです。
このくらいのハイレベルになってくると、冬の暖房性能は軽くクリアできます。
しかし、問題が2点残ります。
一つは湿度の問題です。夏場は湿度が高くそれを取り除かねばなりません。
エアコンをかければ簡単ですが、この工務店では極力エアコンを使わない方法をと考え土壁にしたようです。土の湿度調整機能がどのくらいあるのかはわかりませんが、効果が発揮できているようです。
もう一つは 温度むらの問題です。前ブログに書いたと思いますが、高断熱の住宅は少しの熱ですぐ暖かくなります。私のパッシブハウスでも無暖房状態で朝起きたときの温度がすでに18度。日中日が当たってくると、徐々に高くなり午後には25度を超えます。まだ25度くらいなら心地よい暖かさと言えますが、それを超えてくると完全にオーバーヒートです。時には窓を開けて熱を逃がす必要があります。高性能住宅では残念ながら熱を無駄に捨てなくてはならないこともおきてしまうのです。この捨てなくてはならない熱をうまく蓄えて夜温度が下がったら放熱させようというのが蓄熱です。
土壁はこの熱を蓄える性能があります。温度変化を緩やかにする性能があります。
一挙両得を狙ったわけです。
当社のパッシブハウスでは、基礎のボリュームを大きくし、この性能を持たせています。
工期、施工性、価格、強度など土壁の問題点も若干ありますが、それ以上の効果があると思います。
当社でもチャレンジしてみたいところです。









JBNの環境委員会に入りました。

日本の工務店の団体でJBNというのがあります。
2300の工務店の団体ですからとても大きな団体です。
国とのつながりも深く、国と工務店をつなぐような役目もある団体のようです。
様々情報も素早くキャッチできるようになりそうです。
その団体の中の組織に 環境委員会という部会があります。
その部会に推薦され入れてもらうこととなりました。
たぶん工務店の団体の中では温熱環境で先端を走っている団体です。
メンバーを見ると、凄い人が名を連ねています。
新聞で登場したり、表彰を受けたりしている人たちばかりです。
なるべく足を引っ張らないよう頑張って活動していきたいと思います。

2013年1月26日土曜日

森みわさんのドイツの省エネ視察に行ったのが3年前
今年も行われ 仲間の多くが参加してきた。
ドイツで行われた省エネ建築の国際見本市にもいったらしい。
私は参加できずとても残念。
そこで展示されているサッシなどの性能も日本の数倍の性能だ。
ドイツではさらに省エネが進んでいきそうなことがとてもよくわかる。
すでに日本と圧倒的な差があるのにさらに引き離されていく感じだ。
http://www.key-architects.com/blog/
もりみわさんのブログにも書いてあるのだが2121年にはドイツでの新築住宅はすべてパッシブハウスの性能でないと造れなくなるらしい。
とても信じられないことだ。
私の弟の家もパッシブハウスだが、パッシブハウスは信じられない性能だ。
普通の住宅とくらべると住み心地が異次元だ。
エネルギーを使う量が極端に少ないのは皆さん承知していると思うが、体感してみると、ほかのどんな省エネ住宅ともレベルが違うのに気づくだろう。
その住宅が数年先にはドイツでは当たり前になるのである。
日本の家造りを政府やハウスメーカーに任せて良いのか?
ドイツの住宅から見たら物置レベルの性能の日本の家を増え続けさせて良いのか?
日本の国民の方が勤勉でまじめなのに 政府、大手メーカーにだまされ続け、ぎりぎりの生活を強いられる。
今後も不安だらけだ。
私たちが造る家だけでも ドイツのように将来をきちんと見据えた快適な住宅にしておこうと思う。

2013年1月11日金曜日

全館暖房の重要性

室内の温度差が大きいととても危険です。
断熱が不十分な家、気密性能が低い家は 暖房している部屋と暖房していない部屋の温度差がとても大きくなります。
ファンヒーターなどでリビングの室温を20度以上にしても 浴室や脱衣室、トイレなどは5度、なんて家もあるようです。
この温度差が、とても危険なのです。
昨日NHKのニュースでも取り上げられていたので紹介いたします

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130110/k10014701191000.html

この報道でも解るように脱衣所浴室でのヒートショックの死者だけで17000人だそうです。これにはトイレでの死者は含まれていませんし報告があった分ですので実際にはもっと多く20000人を超えているだろうという研究者の方もおります。
2112年の交通事故での死者が4411人だそうですから4倍にもなります。
驚くべき数字ですね。
室内の温度差が原因でこれほどの死者が出ているのに、政府、建築業者は何をしているのでしょうか。
早急に対策を取るべきでしょう。

現在メインで造っている当社の建ものは高断熱(Q=0.8から1.6 1.3がメイン)、高気密(実測値C=0.2から0.6 0.4ぐらいが多い)なので 少ないエネルギーで全館暖かくなり、上手に暖房すれば温度差もとても少なくなります。昨年実測させていただいた当社の建もののオーナー様のおうちではトイレでも15度以下になることは珍しい状態でした。リビングとの温度差も概ね3度以下くらいでそれほど違わないようです。
このような、住宅であれば ヒートショックのリスクもとても少ないのではないかと思います、。

秩父は特に寒く温度差の激しい地域です。
日中10度近くになることがあっても、翌日の朝はマイナス5度以下 
気象庁の統計でも朝の冷え込みは青森市を下回ります。
外が寒いと中途半端な断熱では室内の温度をを維持することは困難です。
気密性能が低ければ、冷たい空気も入って来てしまいます。
暖房できていない部屋の温度はどんどん下がって行ってしまいます。
そして 暖房している部屋との温度差が大きくなってはしまうのです。

当社の建もののように外に逃げる熱がとても少なく、すきま風の入らない家でしたら温度差はあまり出来ません。 なぜなら室内の暖房の熱が暖房していない部屋に伝わるスピードと外に逃げていくスピードが高い温度でバランスがとれ室温が下がらないからです。

新築ばかりに力を入れているわけではありません。
今すでにある家の改修も必要です。
温度差をなくす、断熱改修がとても重要ですね。
効果があり、内部結露などのリスクがない断熱改修についてはまたの機会にお話しします。


消費税 補助金

消費税がらみで 家を建てる人が増えているようです。
多くの工務店が消費税値上げ前にはもう受注できない状態なのではないでしょうか?
実際に建てられている数も多いので、材料が値上がり傾向になってきたと問屋さんから連絡が入ってきました。
消費税の値上がりより、材料の値上がりの方が多い場合お施主さんは得なのでしょうか?
消費税前に皆さん建てようとするので、消費税値上げ後は 着工戸数が激減すると言われています。
そこで、住宅版エコポイントや補助金などが打ち出される予定があるそうです。
そうすると、それを使った方が「得」なんて言うことがあるかもしれません。
補助金もずっと出るわけではありませんから、その後はどうするつもりなのでしょう。
大型テレビもそうでしたが、エコポイントなどの補助金は、駆け込みにより消費を前倒しするだけで、消費が増える効果は少ないようです。補助金が終わるととたんに消費がなくなる。消費がなくなり景気が悪くなるからまた新たな補助金を出す。
馬鹿なことの繰り返しです。
補助金は景気の波を余計に造っているだけです。
ない方が、良いのではないでしょうか?
少しのタイミングの違いで、もらえる人ともらえない人が出て不公平も生じます。
現在当社でも 100万円、165万円の補助金を使い進めている建ものがあります。
ですが、たった3件だけです。
この補助金のもらえる条件は、一般的には厳しい内容ですが当社の建ものはすべてクリア可能です。それなのに申し込む日が違うだけで補助金が使えるか使えないか決まってしまいます。本当に不公平です。こんな不公平を生む制度はやってはいけないと思います。
こんな制度を作るために役人が働いているかと思うととても腹が立ちます。
こんなので国が良くなるわけないですよね。1日あたり5万円以上かかっていると言われている役人の賃金プラス補助金。税金の無駄遣い以外何者でもありません。
その負担は、我々国民がすべて払うのです。
その国民というのも、私たちの子供たち。
国債のばらまきで、借金を将来に先送りしているだけ。
子供たちはその借金を払わなくてはならないのです。
子供たちの将来はお先真っ暗です。
我々大人は、何をしているのでしょうか?
役人の無駄遣いを減らさせる良い方法はないのでしょうか?
この国はいったいどうなるのでしょうか。
何を考えているのでしょうか?


2013年1月8日火曜日

大工さんの違い

当社は、大工さんを抱えた技術を売りにした工務店です。
現在、工務店の多くは大工さんがいません。ほかの職人さんのように工務店に属すのではなく、外注で頼まれます。
ですから、与えられた材料で、ほどほどに仕事をこなせば良いと考えている大工さんが多く、仕事の内容において熱意が少ないように感じます。
ですが当社の大工さんたちは、高橋建築の従業員としてよりよいものを造りお施主さんに喜んでいただこうという大工さんばかりです。その様な大工さんたちですから志も高く、普段から勉強もしています。
最近は、当社の大工さんの技術を頼りにされ遠くのほうまで指導に行くことがあります。昨年も四国や奈良県までも行ってもらいました。今年もありそうです。
そんな大工さんたちですから 使う材料にもこだわりを見せます。良い材料を見分けることはもちろんですが、値段のこなれたほどほどの材料でも、使う場所や使い方を上手に見極め、後で狂いが出来るだけおこらず長持ちするように考えてくれます。
現在のほとんどの大工さんは、そこまで全く考えません。
木は天然の素材ですからどんなに良い材料を使ってもそりやねじれ収縮膨張などは避けられません。それを考え予測して木の向きや取り付け方を考えるのが大工さんの仕事でした。
それが、今はその様な昔から培われてきた技術が、途絶えようとしています。
工場で造られた均一な材料を 組み立てて取り付けるのが大工さんの仕事になってきています。
多くの大工さんが技術を身につける場所も機会も無いような状況となっているのです。
ちょっと手の込んだ仕事になると出来ない。ちょっと変わった仕事になると出来ない。ほんものの木材を自分で加工して長持ちするようにうまく工夫して家を造っていくことが出来なくなっています。
当社では、20才台から70才台までの大工さんたちが頑張ってくれています。若い大工さんたちは年配の大工さんに伝統の技術を教わりながら身につけています。
木の使い方は簡単には身につきません。経験しながら木の癖を覚えていくことも重要です。
住宅の骨組みを工場ですべて加工してしまうプレカットを当社も利用しますが、定期的に大工さん自ら木材に墨をし手で加工することも行っています。そうしながら若い大工さんも木にたいする感触を高めていくのです。
内装の工事などで使う様々な木製の部品も当社では自社の工場で加工します。木を無駄なく上手に加工していく技術も身につけます。
いろいろな場面に応じて自分で部品を造り、出来るだけベストな方法で納めます。
そうやって、一つ一つ造っていくわけですから、建ものにも愛着もわきますし気合いも入ります。
これが、ただの組み立て大工さんたちとは違う当社の強みでもあるでしょう。
ですが、最近は職人になりたいという大工さんが減っているように感じます。
技術を習得して一人前になるまでが大変だからなのか、お金が少ないのか、危険な作業があるからなのか、休みが少ないからなのか解りません。
しかし、何もないところに家を造っていくという仕事は すばらしいのではないでしょうか。自分が造っているものがどんなものなのか間近で感じられ、徐々に造られていく。きちんとしたものを造れば、喜んでいただける。その様なことが分かり易く感じられる数少ない職業だと思います。
昔は、子供のあこがれの職業で大工さんは1,2を争っていました。それが最近はランクに入らないようです。http://news.livedoor.com/article/detail/5493545/
大工さんを魅力ある職業にするように今の私たちが頑張らねばなりません。