今日、10畳間の敷き込み絨毯の部屋をフローリングに下から見に来てくれと連絡がありました。
インターネットからのお客様で初めての方でした。
お願いできる大工さんが廃業でもしてしまって頼める方がいなくなってしまったのかと思い、行ってみました。
お話を伺ってみますと、何件も見積もりさせて比べて注文とのことです。
10畳の床張りですと、普通に出来れば 大工さん1日、フローリング5坪、釘など少々という仕事です。
お求めやすいフローリングでしたら工事も含めて全部で5万円くらいの仕事でしょうか。
見積もりを出して、どんな風に仕事をするか細かく説明してくれ、今までフローリングを張った現場を見せてくれと言われました。
もしそこまでして仕事がとれなかったらどうなるのでしょう。
とれたとしても5万円では経費のかかり過ぎで赤字になってしまいます。
このような仕事の仕方で、経費を出すには 仕事がとれなかった時のことも考えて 仕事がとれた場合にはきちんと利益が多めに出る金額にしなくてはなりません。
そうすると、普通5万円でさせていただける工事が、10万円とか言う金額で見積もりを出さなくてはならなくなります。見積もり3回に1度とれれば、会社が成り立つと思います。
結局、お客様も5万の工事内容だとしても高い見積もりが出てきてしまうので損してしまうわけです。
組織的にやっているリフォーム会社なら10万円以上かもしれません。
リフォーム会社と当社で相見積もりになったとき 当社がだいたい2,3割以上時には5割 安い場合もあるので、だいたい想像出来ます
商品がすでにあり、店頭に並べてあるだけでしたら それほど経費がかかりませんから、見比べてもらって選ばれなくてもそれほどマイナスはありません。
ですが、建築は現地に足を運び打ち合わせをし、なかったものを現場で作り上げていきます。
経費がとてもかかります。
ないものを、現場で造っていくわけですから、お客さんもどんなものをいくらくらいで作ってもらえるのか解らないで不安なのは確かだと思います。
だから、たくさんの業者さんを自宅に呼んで見積もりを取るのでしょう。
今まで、頼んだことがなければその業者がしっかりしているか全く解らないですからね。
いざ工事をしてもらってきれいに出来たと安心しても、見てくれだけでしっかり造られていない場合もたくさんあります。お客さんが解らないのを良いことにずさんな工事が多いのも事実です。
表面を見ただけでは解りません。
ブロック塀一つとっても、重さを支えるベースコンクリートがしっかり打っていなかったり、鉄筋がきわめて少なかったり、コンクリートのセメント量が少なくて劣化が早いものだったり、上手に解らないように手を抜いている業者もいます。
その業者さんが一番安くて仕事をしたとして、お客さんは本当に良かったのでしょうか?
10年後、20年後に気がついたときには後の祭りです。
住宅のリフォームでも、床が痛んだため、フローリングの改修をするとします。
ある業者はフローリングをきれいにはり壁天井にビニルクロスをはり見てくれをきれいに仕上げていく見積もりを出しました。
ある業者は、フローリングが痛んだ原因を考え次は痛まないように念入りに工事しました。見た目より長持ちさせることを優先させました。
後者が前者より1割高ければ前者を選んでしまう方が多いのではないでしょうか?
施工精度は見積もりに反映しにくいです。
Aランクの大工さんが張ったしっかりしたフローリングとCランクの大工さんが張ったフローリングの価値は同じでしょうか? 見た目は同じでも、数年で床鳴りがしたり、ゆがんでしまっても同じでしょうか?
手間賃の問題もあります。
草刈りをしてもらうのに Aさんに頼むと1日15000円 Bさんに頼むと1日1万円
安いからBさんを頼みますか?
広い畑を同じようにきれいにしていきましたが Aさんは1日 Bさんは2日かかりました。
どっちが良かったのでしょうか?
最初に安い見積もりを出し、仕事を取った後に、オプション工事で儲ける工事会社もたくさんあります。
新築住宅で 契約後の地盤調査で、わざと低めな評価を出し地盤改良工事をしてたくさん儲けるという、信じられない手法を用いる業者もあると聞きます。
わたしは、なるべく経費をかけず、お客さんに低価格で工事をしてあげたいと考えています。
頼んでいただいたら お客さんにとってベストな工事は何かを真剣に考え 高い技術でしっかりした工事をしたいと思います。
私たちの経費がすべてお客さんの負担になってしまします。
経費をかけない経営がとても重要です。
私どもを信じていただけて、普段のまじめな工事を理解していただいている方に、よりやすく技術を提供したいと考えております。
「あの人に頼めば大丈夫。」「あの人に任せておけばあんしんだ!」
そう思っていただけるようこれからも努力したいと思います。
そうすれば、相見積もりになることもなく、余分な経費をかけずにすみ、出来るだけの安い価格で見積もりを書くことが出来ます。
そんなことを考え、今日の仕事はあまりにも経費がかかりそうなので、すぐにお断りしてきました。
断られて、気分を悪くされたかもしれませんが、しょうがないと思っています。
良い物を出来るだけ安く提供しつづけるためにはやむ終えない決断でした。
断るのもつらいですね。
良心的な、工事会社と巡り会えることを祈っています。
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