2016年4月29日金曜日

エコキュート と ネオキュート さらに効率を求めて

皆さん、ネオキュート
ご存じですか?

エコキュートはもちろんご存じですね。
お湯を作る仕組みは知らなくても名前は知っていると思います。
エアコンのようにヒートポンプという機械で空気から熱を奪いお湯を作るシステムです。
ヒートポンプは投入したエネルギーの数倍のエネルギーの熱を作り出すことのできる魔法のような機械です。

当社では 3.8倍もの熱が作れる高性能なものを使っています。
当社で使っているものはとても特殊な高級品です。一般的には効率が3.3位のものが使われています。2割近く性能が違います。ランニングコストが違うのでとてもお得です。

エコキュートは安い深夜電力を使い深夜にお湯を沸かします。そして高温でタンクにためておきます。でも、お湯を実際に使うのは半日以上過ぎた夕方から夜に掛けてがピークですから、タンクのお湯が少し冷めてもったいないですね。

最近 ネオキュートというものが発売されました。
これは何が違うのでしょうか?
基本的にはエコキュートと仕組みは同じです。
違うところは 先程の魔法の機械 ヒートポンプに使う冷媒です。
エコキュートはCO2冷媒を使いますが ネオキュートはR32という新開発の高性能な冷媒が使われます。
この冷媒はエアコンのトップメーカーのダイキンが開発したものです。
暖めるのにとても効率の良い冷媒です。
最近の高性能なエアコンはダイキン製に限らずパナソニックなどのメーカーも採用しています。

この高性能な冷媒を使うことによって給湯システムの高性能かが進むと思われますが、まだ既存のエコキュートの方が性能が良さそうです。R32の性質をいかしたこれからの進歩が待ち遠しいですね。まずはCO2で難しかったのですが、R32の性質をいかしてタンクとヒートポンプを離して設置することができるようになりました。
エコキュートでは音の問題がありました。ちょうどエコキュートのヒートポンプがおとなりの寝室などの前にあるとうるさくて迷惑をかけてしまいますから 迷惑を掛けにくいところまで離しておけることはとても良いことですね。


R32は暖めるのには効率が良いのですが、高温になってくると効率が落ちると言われています。低温で使うのが良さそうです。エクセルギーの問題ですね。
ですから 私が思うのは 使う直前で使う温度くらいでお湯を作ればいいのではないかと思います。エコキュートのように深夜に高温のお湯を作りためておくのはもったいないですしR32の特徴をいかしきれません。
ZEHなどにすれば太陽光発電はついているわけですから、夕方になる直前に自宅の太陽光発電でお風呂にお湯はりに使う量くらいを低温で作っておき夜にお湯はりする。そしてシャワーで使う量を追加で直前にまたは使いながら作る。そんな使い方ができればとても省エネになるはずです。
もちろん今の制度ですと太陽光発電の電力は売った方がお得です。でもその差は知事待ってきています。
昔のように太陽光の電力は48円で売って深夜電力を7円で買うというのは終わりました。
昨年度は33円で売って12円で買う
今年はさらに下がり31で売って17円で買うのです。
どんどん差が縮まっていきます。

いい忘れましたが 外気温が高いときの方がヒートポンプの効率もいいですからこの点でも夕方湯沸かしがお得です。
タンクの冷めることの問題も考えると 差がとても少なくなってきているのがわかります。

ZEHの本来の目的は家庭のエネルギーをゼロにすることですから 売買電してトータルゼロより、住宅に外から電気をなるべく出し入れしない方が理想です。
そう考えてくると夕方ネオキュートを動かす。それも小さなタンクで低温で。
そのようなことが理想的でないかと思えます。
特にオフグリッドを目指すにはとても良いのではないでしょうか?


2016年4月28日木曜日

建築環境のための気候学

エクセルギーの理論で有名な宿谷先生の勉強会に参加してきた。
大きな規模のセミナーは3度ほど聞いたことがあったがより深く勉強したいと思い数回に渡って講義が受けられる勉強会に参加し始めた。
地球の温度が15度位にうまく保たれる仕組み。建築とは関係ないと思われるかも知れないが、建物が受ける熱は地球の温度や太陽光エネルギーによるから、基本的に知っていなければならない。
理屈を整理すると、温暖化の原因がCO2だけではないのではないかということもわかった。
住まい心地の良さは、どう考えるか?考え方の基本を勉強して行きたい❗

2016年4月27日水曜日

古民家再生

最近、伝統工法や古民家再生を学び直している。
松井先生主催の「き」組の勉強会だ。
今普通に作られている木造の住宅は在来軸組工法と呼ばれている。
合理化され、金物で継ぎ手仕口などの木材の接合部を補強していく。
伝統方法は基本的には金物に頼らず木を組んで強くしていく工法だ。

構造の強さの考え方はかなりの部分で違いがある。
どちらも一長一短あるのでこっちが良いということはできなそうだ。
耐震の抵抗の考え方が全く違うのではあるが、基本的な構造区画をきちんと考え保つという部分は同じだ。
この基本部分がいい加減だとどちらの工法もどんなに頑張っても弱い建物となってしまう。

伝統工法は基本的には基礎と土台をあまり拘束しない。
丈夫の構造がしっかりとしていれば少々土台が浮いても大丈夫といっていた。
イーディフェンスでの耐震実験の映像をみてなるほどと思うところもあるが真実はどうなのだろう。
確かに建物が浮くことで地震のちからを受け流しているようにも見える

https://m.youtube.com/watch?v=Dn7fw2T2lmI

伝統工法の建物というわけではないが、アンカーボルトが切れて浮いてしまったようだ。
これが基礎をと土台を繋げない伝統工法と同じような効果があったと言われている。
土台とかいているが、本当は伝統工法には普通土台はない。
石の上に直接柱が建つ組み方だ。

伝統工法はあまり固くなくゆらゆら揺れながら地震の力を吸収するから強いといっている人もいるがそうでもないこともわかっている。
伝統工法といっても中途半端なものは余計危険だ。構造の本質がわかっていなければ危ない。やはり建築基準法に沿って構造計算をしてたてる現在の建物の方がいい場合が多いと思った。

2016年4月25日月曜日

地域によって違う 地震の地域係数

建物にかかる地震力の計算は地域によって違う。
地域係数Zで表されるが Z=1.0が標準である。
これは 震度7ぐらいの地震力がかかることを建物にかかることを標準としている。
大きな地震が起こる個確率が少なそうな地域はこれを 0.9や 0.8に低減している
これは震度6強や6弱に相当するそうだ。
この地図を見ていただくとわかるが、今回地震の起きた熊本や大分は この係数が0.9や0.8の地域だ。
そこに 震度7や震度6の地震が繰り返し来た。
10000棟以上の建物が壊れたそうだが この係数の低い地域であることが大きな被害の原因かもしれない。
私たちの住んでいる埼玉県は元々大きな地震が想定されていて係数は1.0のままであるから
熊本と同じような地震が来てももう少し被害は小さくなる可能性はある。
しかし 木造の建物は逆に 価格競争が激しいので値段ばかりを考えたの粗悪な建物が多き気がするので もしかしたら被害は大きくなるのかもしれない。

2016年4月18日月曜日

最低限 目指すべき断熱性能

最近 各住宅供給会社の断熱性能が上がってきています。
昔ながらのQ値表示 新しいUA値表示 我々が使っている指標はパッシブハウスなどで使われる暖房負荷です。
もちろん 太陽の熱の取得や内部発熱 地域の特性などを考えると 我々の使っている暖房負荷が一番正しい値となります。 しかし計算が大変ですのであまり使われていません。
これから、日本ではUAという指標が大きく使われていくことになるのは間違いありません。
我々のなかでも少しづつ浸透してきました。
2020年を見据えてその時にクリアしたい性能を発表している団体があります。
HEAT20(ひーとにじゅう)
http://www.heat20.jp/heat20towa.html
外皮性能が G1レベルと より上のG2レベルとが設定されています。
GIレベルは 断熱していない部屋でも10度以上に保ちながらも冬の暖房負荷を20%削減できるレベルです。
G2レベルは暖房していない部屋でも15度以上に保ち冬の暖房負荷を30%削減できるレベルです。
秩父は4地域のところと5地域の場所があります。大滝両神が4地域その他が5地域です。東京もほぼ5地域です。
今後の断熱基準ですとUA=0.75W/m2K(4地域)0.87W/m2kです。
G1基準は 0.46(4地域)0.48(5地域)
G2基準は 0.34(4、5地域とも)
です。
G1基準ならなんとか頑張れば皆さんできるのではないでしょうか?
G2ですと少し大変になってきますね。
このG2レベルなら日射取得を上手くしていけば当社で作っている住宅に近い性能だと思います。
ようやく 国も本腰をあげてきた感じです。
2020年に推奨する目標ですので 皆さんもこのレベルをクリアーしておいた方がいいと思います。

耐震等級Ⅰと等級2、3の違い

長期優良住宅の設計が必要だと思うのは 構造設計の違いがあるからだ。
前回説明したが 長期優良住宅は取得には耐震等級2あるいは3の取得が必要だ。

大きく違うのは 水平剛性の計算をするか否かだ。

耐力壁の力をバランスよく上手く伝えるためには、床面や屋根面の剛性が必要だ。
床や屋根がふにゃふにゃだと、ちぎれるように倒壊してしまう。
今回の地震で壊れている建物の多くは壁のバランスが悪いものと水平剛性の考慮が足りないと思われるものが多い。壊れた写真から容易に推測できる。
この計算は 長期優良住宅で要求される等級2 等級3の建物でしか計算されない。

この計算がされるかされないかで、本当に安全性が大きく違う。
私はこの計算は絶対に必要だと思う。
していない設計者は今後絶対にしてほしい。

繰り返し地震

熊本の地震で今までのものと大きく違うのは 繰り返し地震
震度5以上の地震が何度も襲ってくる。
震度7、6でも壊れなかった建物が この繰り返し地震によって壊れる。

現在の建物設計は固く頑丈にが基本だ。
建築基準法上の強度の1.25倍が等級2 1.5倍が等級3だ。
だが、建築基準法では地震に抵抗するという構造用面材や筋かいなどの耐力壁だけで計算する。阪神大震災以降、壁のバランスや引き抜き接合部の強度も計算されるようになったのでより安全性が上がった。

壁の量が増えるのだから等級2等級3は強くなっていると考えて良いが、この辺の考え方が住宅生産者のよって大きく違う。

強くするために今までは計算に含んでいなかった石膏ボードの強さまで計算に含めているところもあるのだ。
別にこれは違法ではない。
しかし皆さんお気づきの通り 石膏ボードは柔らかく脆い素材だ。
一度の地震になら耐えるだろうが 大きな地震を受けるととても脆くなったり、止めつけているビスの回りも崩れ本来の強度はもはやない。
これで次にまた大きな地震が来たらと思うと恐ろしくなる。
当社ではもちろんこれらのものは、構造の計算には考慮せず本来の耐力壁のみで計算している。万が一のための保険程度と思い余力として残している

さらに 窓の上下の小さな壁も準耐力壁として計算することもできる。
これも合法だ。
これも計算に含めているところが多い。
コストダウンのため大手ほど含めているのが現状のようだ。
やはりこれも当社では余力として計算に含めていない。

このように 耐震の設計といっても 設計者の判断により 出来上がったものは大きく違う場合がある。
こういうのが 余力として繰り返し地震に影響すると思う。
日本は地震列島です。
生きている間に何回大きな地震が来るか分かりません。
慎重に設計することをおすすめします。

地震が来てみてはじめてわかることだが 安全性をどのように考えているか設計者に確認をおすすめしたい。 ただ 「当社の建物は強いです。」という説明だけで、内容を説明できないようでは、疑ってみてもいいだろう。
本来なら、プランニングから きちんとした設計士が対応しないと怖いと思ってください。





2016年4月15日金曜日

熊本で大きな地震 偶然構造の勉強会

昨日、熊本で大きな地震がありました。
震源地近くは震度7です。
震度7というときちんと耐震設計されてない建物が倒壊してしまう大きさです。
6強でも壊れる住宅もありますが7というと多くの建物が倒壊するといわれる震度です。
まるで地獄絵のような状態になる可能性もあるほどの大きな地震です。
今回の地震の詳細はまだ明らかになっていませんが、とても心配です。

今日は パッシブハウスジャパン関東支部のセミナーの日です。
構造塾の佐藤先生にお願いしみっちり一日講義いただきます。


主催するに当たりどのくらいの人に来ていただけるか心配でしたが、日本中から来ていただき
満席となりました。
温熱設計を絡めたセミナーですので今まで開催されたことが無く日本中からとても注目を集めました。
新聞の取材も入る予定です。
参加者は 先生クラスの方がとても多く来ているのには驚きます。
やはり優秀な人ほど勉強するというのがわかる結果となりました。
あまりわかっていない人ほど「私はわかっているから必要ない」と思い込んでいる人もいますから
怖いですね。これが以前はやった本にあった「バカの壁」なのかなと思いました。

皆、先生をにらむほど真剣に聞いています。
すごいです。
普通のセミナーと違う熱気を感じます。
企画して本当に良かったです。
まずは一安心!!

2016年4月14日木曜日

ロボホンいいですね。

写真はシャープのHPから


電話ができるコミニュケーションロボット。
ニュースでもたくさん紹介されてますね。
かわいいです。
色々なことができるみたいです。
値段が198000円とアイホン2台分ですから、内容の割にはすごく安いのでしょう。
でも、なかなか手の届く値段とも言えないですね。

話しもできたり、メールを読み上げたり、プロジェクターにもなるらしい。
楽しそうでいいなぁ。


2016年4月13日水曜日

建築のデザインはマイナスしていくこと

建物をきれいに見せることは マイナスしていくこと。
よりシンプルに スッキリ見せることが大切です。

窓の付け方も 高さや幅を揃えたり 並んでいる場合は 縦方向横方向とも揃えることが大切です。それもスッキリ見せることに繋がります。
できるだけ 余分な線を出さないようスッキリまとめることもも大切です。
有名な建築家の方たちは少しでもスッキリ納めることに力を注ぎます。スイッチひとつでさえ目立たないように配慮します。

最近流行っている ハイドアなどもそうです。普通のドアの高さですと ドアと天井の間に壁ができますが 天井いっぱいまで高さのあるハイドアならとてもスッキリ見えます。

色もそうです。基本的に白以外は2色までとした方がいいです。色が多いとまとまりがなくとてもうるさく感じます。カーテンや家具なども色が出てきますから事前にそれらも予想して色が増えることを考えておくべきです。石や金属など質感のある天然の素材ならアクセントとして増えても影響は少ないようです。偽物の素材はあまりあると安っぽく汚く見えます。
できるだけ本物をシンプルに使うことが大切です。

一方、インテリアコーディネートはプラスの作業です。カーテンや家具、置物、絵画や素敵な照明などこだわりのものをチョイスして合わせていきます。
これらを生かすためにも建築はシンプルであることが求められます。
ごちゃごちゃうるさい建築ではない方が飽きも来ないで長く愛されるのではないでしょうか?

2016年4月12日火曜日

建築のデザイン

高橋建築の建物は性能はピカイチだけどデザインをもっと頑張れば無敵なのに!
と、ある有名な建築家の方から言われたことがある。
日本でも有数な建築家から見ると確かに私もそう思う。
 私は万人がおかしいと思わないような、無難なデザインを好む。巷でたくさん作られている独りよがりの変わったデザインが嫌いだからだ。
カッコ悪い色分けをして明らかにダサいものがあふれている。
均整のとれたバランスの良い上品な素敵なデザインは少ない。

高橋建築のデザインをセンスよく当社の性能レベルに見合うものにしていくため、今年から、外部の設計士さんとコラボし始めた。
興味あるお客さんにはご紹介し、設計が進んでいる。
図面ができはじめているがかなり素晴らしい建物になりそうだ。
お客さんの要望を満たすためにデザインが壊れそうになる場合もあるが、バランスよく修正されていく。整った素敵な感じだ。

さらにパワーアップを図るため、昨日デザインの勉強を品川で行った。建築界では誰でも知っているすごい先生が、一生懸命取り組もうとしている私を見て、当社のために1日デザインのポイントを教えてくれるというのだ。

とてもありがたい。
当社のデザインの弱点を指摘いただき、さらにこうすればよくなるというポイントを数々教えてもらった。
デザインというとらえどころのない難しい問題なのに、デザインをロジカルに考え教えてくれる先生だ。
デザインをロジカルに処理してつくっていくのは計算が大好きな私の得意とするところだ。私のそういうところを見抜いているらしく、「高橋さんならすぐ身に付いてしまうでしょうね」といっていただいた。
期待に応えられるよう今後はますます素敵な建物を作っていきたい。


2016年4月9日土曜日

自立循環型住宅

自立循環型住宅のセミナーに行ってきました。
以前行ったのは10年前
その頃は 住宅の省エネ技術をうまくまとめた勉強会など何も無かったので 基本的なことがわかりとても良い勉強になったのを覚えています。
今は 寒冷地用 温暖地用 蒸暑地用と テキストも分かれて内容が濃くなったと聞いていました。
一度、改めて基本の勉強のし直しに聞いてみたいと思っていたので社員と設計士さんの4名で行ってきました。
10年前の教科書が下 現在のが上です。 厚さが倍になりました。
最初の話で 自立循環型住宅が目指すところの話がありました。
寒さ、暑さ、暗さなど住まい手が受ける生理的ストレスを皆無にする、快適性の追求が目的では無く,住まい手が「心地よい」と感じられる環境を形成するのが目的とのことです。

「心地よい住まい」を実現するための 15の要素技術を順に学んでいきます。

日射熱の利用
自然風の利用
昼光利用
屋根空気集熱
太陽光発電
太陽熱給湯
断熱外皮計画
日射遮断手法
暖冷房設備計画
換気設備計画
照明設備計画
高効率家電機器の導入
給湯設備計画
コージェネレーションシステム
水と生ゴミの処理と効率的利用
です。
これを一日で学のですから 各テーマ広く浅くという感じでした。
興味がありもっと深く掘り下げてほしいところもありましたが、普段このようなことを勉強したことの無い人たちはちんぷんかんぷんでしょうから、しかたが無いのかなと思います。

興味がある方は是非参加してください。 現在のCASSBEEや一次エネ計算の元になった考え方
です。 省エネ住宅の基本的なことが学べます。
おすすめです。プロの方は一度は聞いておいた方が良いと思います。

2016年4月8日金曜日

水道の配管

水道の配管についてどのような工夫をしていますか?
最近の住宅は直径20mmのメーターをつけ太い管で住宅に引き込むことが多くなってきているようです。
今までは13mmがほとんどでした。
エネルギーなどを浪費できる世の中なら私も20mmをおすすめするかもしれません。
ですが、現在は少しでもエネルギを減らさなくてはなりません。
水道水を作るのも水を組み上げたりろ過したり大量のエネルギーが使われます。
できるだけ使う水を少なくしたいですね。
それで少しでも使用水量を少なくするために私は今までどおり13mmで十分なのではないかと思います。
20mmにしてドバドバ出てもほとんどの水が無駄になってしまいます。
13mmでもきちんとした水圧の来ている地域なら普通に使えるレベルの水が出ます。
お湯の量も増えればお湯を作るエネルギーも大量に消費されます。
蛇口を絞って少な目に出せばいいかと思うかも知れませんがなかなかコントロールしきれません。13mmでも不自由はほとんどないのですからあまり多く出すぎない方がいいのではないでしょうか?

室内の配管も工夫できます。
現在の配管方法はヘッダー方式といって 水やお湯の管は室内に取り込まれたらすぐにヘッダーという分岐する部材に繋がりそこから先は お風呂、キッチン、洗面所、トイレなどそれぞれに1本づつの管で配管されます。ヘッダー配管と言います。
積水化学カタログから

メインの太い管をすこしづつ各場所に分岐しながら持っていくのではありません。
1本づつなのでヘッダーから先は細い管ですみます。お湯を使うときなかなか温かいお湯が出て来ないことがありますね。途中のパイプに水が入っているからです。水が出きってからお湯になります。細い管なら無駄になる水が少なくてすみます。お湯を使い終わったあと管の中に残るお湯も少なくなります。とても省エネですね。

今日、東京大学の前先生にその辺のことをお聞きしたのですが、先生はさらに進んで大量にお湯の必要のない洗面所は10mmの配管まで細くしているそうです。
さすがです。それを聞いて私もすぐに当社の水道工事の皆さんに指示をしました。

省エネのためのお湯の配管は 細く、短くが基本です。
太めで引きたいのは、工務店や水道の役所がお客さんの「お湯の出が悪い」というクレームを恐れるためだと思います。
少し位お湯の出が細くても省エネや水道代の節約を考えた方がいいような気がしました。

ZEH補助金中身

補助金額は125万円
一次エネルギーでゼロエネプラス20%
家で使うエネルギーの120%を太陽光で発電すれば良いのです。
断熱性能はUA=0.6W/m2K 次世代基準より少し良いくらい。
蓄電池を付ければプラス50万円
5月申込み開始で7月から10月工事というめちゃくちゃな工事期間。わずか4ヶ月で作るということ。
大体の内容はこんな感じです。

補助額120万はまあ、こんなもんかな?といった金額です。ちなみに2年前は350万でした。大金を少ない人にからより多くの人に配るのは賛成です

次に120%
これ以上多いと太陽光発電がやたら大きくないとダメ、という変な住宅になりかねないのでいい線だと思います。
これ以下だと、補助金出すまでもないかな?と思えるので良いと思います。

UA=0.6
これにはがっかり。少し断熱性能がショボいです。温かくはなりますが快適な環境にはなりにくいしエネルギー垂れ流しのレベルです。
鉄骨プレハブ系の大手メーカーが作れないので落ち着いたのだと思いますがこれでは骨抜きです。
せめて0.5は切るべきです。
太陽光発電と高性能な設備で省エネできればOKという情けない感じです。設備での省エネでは快適さは得られにくいし、機械は壊れるので数年ごとに修理や買い換えのお金がかかってしまいます。

蓄電池50万
これはいいことですね。今後太陽光発電で作られた電気は自家消費が理想です。昼間太陽光発電で発電し余った電気を電力会社に売り、夜は電力会社から購入するのではなく、昼間の余った電気を自宅に蓄電しそれを夜使う。自給自足のできるシステム。
災害などのことを考えると、こうしていくべきだと思います。

最後に工期
これは、あきれてものも言えません。
4ヶ月で良いものが作れますか?

ZEH補助金発表

ZEHの補助金が発表されました。
予算はあるようですが、とても使いにくいものです。7月着工分から使えると思いますが、工期がなんと4ヶ月。
もはや鉄骨プレハブ系の建物のための補助金です。昨年もそうでしたがより短くされています。
昨年も補助金が使いにくい制度設計で補助金のほとんどをセキ○イが使ったようです。
まあ、裏があると見てしまいます。何十億の補助金を一社がほぼ独占したのです。
昨年はその補助金の説明会に参加し、そのところを指摘したのでさすがに今年は少しは、怪しく見えないようにもう少し誰でも使いやすい補助金の設計にするのかと思ったら、露骨に使いにくい設計としてきました。
今年もプレハブメーカーのために補助金を作ったような感じです。
これでは当社では1軒位しか対応させられません。
セキス○のようなエネルギー垂れ流しの住宅に補助金を出すのではなく、当社のような高性能住宅に出すべきです。本来なら、補助金の趣旨を考えると、これからZEHを目指す小規模の工務店にこそ出すべきなのです。
それを作れる技術はあるのに金儲けのために作らない大規模なメーカー、莫大な利益を出しているメーカーに補助金を出しています。
もう笑うしかないですね。

2016年4月5日火曜日

木の向き考えていますか?

今日は 社内の勉強会の日でした。
講師は当社の大工さんの加藤さん。
この方は 日本の技能大会などで数々の賞をとったり 審査員を勤めるなどしたり、大学で技能を教える講師をするレベルの人です。
当社の若い大工さんたちにも定期的に勉強会を開き教えてもらっています。


今日は 木の向きについてです。
木材は天然のものですので、長い時間には曲がったり反ったりしてしまいます。
それを上手に使いこなすための講習会です。
木の使い方によって家を長持ちさせられますし、見た目もきれいな状態が保てます。
最近のほとんどの大工さんは、木の使い方をあまり知りません。
当社のような、工務店はほとんどなくなってきていて できた部品を組み立てるだけの大工さんばかりになってきてしまっています。
色々な現場を見る機会がありますが、「あれあれ?」と思うような木の使い方の現場が日に日に多くなってきています。「機械乾燥で木材が均一化しているから大丈夫」と勘違いしている人がいますが木材の持つ力はそんなものではありません。
きちんと木が使えてないと、最初はよくても10年20年と経つうちに狂いが生じ住み心地や見た目に大きな違いが生じます。
きちんと勉強してこころを込めて作る大工さんと ただ仕事をこなしているだけの大工さんの作る家との違いはこんなことから起こってくるのです。

木材は使う場所によって木材の種類はもちろんのこと 向きまで考えなくてはなりません。場所ごとに使い方が違うのです。
向きは 木材の元とウラ(先)もありますし木表、木裏(木の表面側か中心側)かということもあります。
こういう素性の木材はこういう風に使うというのもありますね。

当社の若い大工さんたちは、木を使うのが大好きな普段から意欲のある大工さんたちですが、新たな発見も多かったらしくとても熱心に勉強していました。
昔は、「盗んで覚えろ」とよく言われてものですが、今は優秀な先輩に じっくり教えてもらえるのでとてもいいですね。

現場の仕事が終わってからの自主的な勉強会で、大変ですが全員参加でした。
皆さんお疲れさまでした。



2016年4月4日月曜日

古民家をリフォーム 「民家の再生」

当社は 大工さんも社員として働いている 技術を売りにした工務店です。
大工さんたちは 木を使った難しい仕事をとても楽しみにして、やりがいを感じます。

先日、古民家のリフォームの依頼があり下見をして来ました。
まだ決まったわけではないので、詳細は明かせませんが、とても立派なおうちでとてもやりがいのある仕事だと思いました。

どんなに立派な建物でも 家が寒いというだけで建て直したくなってしまいます。
その方も、リフォームではなく建て替えも検討しているようでした。
今まで、何度もリフォームを繰り返し、その都度現代的なライフスタイルに会わせて直してきたようです。
しかし、根本的なリフォームはしていないようでした。

これからもずっと長く住んでいただくためには、構造の安全性と暖かさを改善するリフォームを提案したいと思っています。

昔の家を昔の良さを戻しながら甦らせるリフォーム 「民家の再生」です。
ただ直すのではなく 昔の良さを生かして再び生まれ変わるのです。
とても楽しみな仕事です。

こういった仕事が大工さんのやりがいにも繋がります。
ありがたいことです。


満員御礼 「省エネマニアのための構造設計セミナー」

私が企画した パッシブハウスジャパンのセミナーが満員となりました。
構造塾の佐藤先生にお願いして実現したとても価値のあるセミナーです。
タイトルは 「省エネマニアのための構造設計セミナー」
建築業界では注目されていて新聞にも取り上げられました。

暖かい家を作るのに断熱材を厚くしたりしていくと、構造的に難しい問題に当たることがあります。
たまに工事現場や雑誌などで紹介されるディテールでとても危ないものも多数あります。

また、日射取得をするために南側の窓を大きくしていくと 壁の量が少なくなり 弱くなります。できるだけ強い壁にしていき補強していくわけですがそこでも難しい問題に当たることがあります。一部分だけ強くなると力が集中するので新たな問題が発生するわけです。

高断熱により暖かい空間が作れると 大きな吹き抜けや勾配天井、スキップフロアー等も作りたくなってきます。これらは構造的には弱点になりやすいのできちんと計画しなくてはなりません。
特にスキップフロアーは構造計算をきちんとしないとならないにも関わらず 計算もしないで形だけ作っている工務店もたくさんいます。本当に怖いことです。
雑誌を見たり、コンテストで展示されている作品を見ても明らかに構造的に不整合なものが多いのにはビックリします。これは、木造の2階建ては役所で構造のチェックをしないことから、それをいいことに構造計算もしないで作りたい放題の工務店、設計事務所がたくさんいるからなのです。
そこで、私は間違った建物が作られていくことを少しでも少なくするために 全国の工務店、設計事務所を対象にセミナーを企画させていただきました。

構造塾の先生である佐藤先生にお願いをして 10時から5時までという長時間のセミナーをしていただくことになりました。
日本中から70名の方が勉強に来ます。セミナー代金が安く設定して10000円。
ですが 遠くの方は飛行機で来て宿泊費も入れると数万円がかかってしまいます。

募集してみてわかったのですが、勉強に来る人は普段から勉強をたくさんしている人で 解っているのではないかと思われる人ばかりなのです。とてもしっかりした建物を作っている方ばかりです。
お客さんに知っている振りをして得意気に説明してそうな勉強不足の人はいなそうなのです。そういう、勉強不足で危ない建物を作っている工務店にこそ勉強してほしかったのですが、少し期待はずれでした。そういう人に限って商売は上手かったりしますから、お客さんも騙されないようにするのは大変ですね。
レベルの高い人が多くなれば、レベルの高い質問も出るでしょうから、とても楽しみです。
最後の質問コーナーを多くしたい気がします。

すでに満員で募集を締め切ってしまいました。
まだ、申し込みが来ている状態なので大きな会場に変えられれば募集を再開したいと思っています。




2016年4月3日日曜日

ベタ基礎の基本 構造区画

住宅の基礎と言えばほとんどがベタ基礎となっています。
材料は多く必要になりますが作りやすいから皆さん採用されているのだと思います。
強いイメージがあります。
確かに建物の荷重を基礎の底盤全体で支えるわけですから荷重が分散され弱い地盤には有利です。
簡単に説明したいと思います。

面積が大きいので有利なのがわかります。
しかし全体で支えるわけですから 基礎の構造を頑丈に作らなければ意味はありません。
きちんと理解し構造計算することが必要です。
いい加減に作ると弱い基礎となってしまいます。


上部の重さや 底盤の広さに応じて コンクリートの厚さや鉄筋の太さ配置を計算で求めます。

力がしっかり伝わるようにするためには 基礎が箱状にがっちりした構造で無くてはなりません


基本的には 長方形の組み合わせが基本です。

構造区画の角には必ず柱が必要です。
きちんと 建物が四角く区切ることが出来るか。その区切りの角に柱があるかチェックしましょう。
この構造の基本が出来ていないと 一般的には計算が出来ません。
超高度な計算技法を用いれば出来ますがなかなか出来る人はいません。

この基本的なことが 理解できていない設計士さんがとても多いのはびっくりします。
そういう設計士さんは 見よう見まねで設計していて きちんと勉強する機会が無かったのでしょう。
設計士さんが設計しない例もありますから注意が必要です。
建築業界は 建築の勉強をきちんとしたことが無い人が設計したり、知ったかぶりしたりするので怖いですね。




2016年4月2日土曜日

見学会ご来場ありがとうございました。

先週末 蒔田の現場と荒川の現場の 見学会を行い 両現場会わせて 延べ 100組以上の方に来ていただきました。両方にダブってきていただいた方もおりましたので 除いて計算すると80組位のようです。
これだけ大勢の方々に来ていただけとてもありがたいことです。
今週、お掃除屋さんにあらてめて掃除をしてもらい 無事引き渡しを完了いたしました。
今日明日と土日ですので打ち合わせがたくさんあります。
お客様との出会いに感謝し より良い家造りをしていきたいと思います。
家をお貸しくださったオーナーの方々、いらしてくださったお客様、運営してくれたスタッフの皆さんに感謝します。
ありがとうございました。