2016年10月27日木曜日

空気を考えすぎ?

昨日は 毎月楽しみな宿谷先生の話が聞ける日です
少人数で話を聞かせてもらうまたとない機会です。
昨日も10人ちょっとで2時間半くらい話を聞きました。

心地よい空間を作るために どのように建物を作れば良いか いつもヒントがたくさんあります。

心地よい感じがどのようなものか 人体がどのように出来ていてどう反応するか そんな話しの時もあります。

昨日は 涼しさを感じる手法を聞きました。

人間は37度の体温を持っていて それを放熱し続けなければ生きていけません
上手に放熱できるスピードが心地よいと感じる空間です。

ですから 建物などの空間の環境ばかりではなく 服をどのくらい着ているか(着衣量) 運動量によっても違います。
何枚か重ね着している冬は20度くらいでも温かく感じるかもしれませんが 半袖半ズボンの夏では20度は寒いと感じます。
冬場 動かないで寝そべっているときに20度は寒いと感じるかもしれませんが 本気で掃除機など掛けて活動しているときには暑いと感じ一枚脱ぐかもしれませんね。

空間を作るときには その辺は固定しなくてはならないので平常時にその季節にあった着衣量で計算をします。

そうすると冬には輻射面温度25度くらいで室温は20度くらいが最適なようです。
当社で進めている床暖房を使って足裏が温かいと感じないくらいの低温を常時流し続ければ良いということが解ります。
床暖房で床の輻射面温度が上がるとその輻射で天井や壁の温度も上がっています。きちんと断熱されていることが前提ですけど。
現在皆さんが思われているような 床暖房の温度は本当の意味では快適ではありません。
床が温かいと気持ちいいと感じるかもしれませんが 人間が求める一番ストレスのない温度ではないのです。
現在高橋建築では「ストレスのない心地よい空間作り」その辺のところを目指しています。

夏はどうなのでしょうか?
宿谷先生曰く 「快適な空間というと皆さん空気のことばかりの話になる。空気の温度、湿度。まず空気から離れないと快適な空間は作れません。」
本当にストレスのない空間は 先生のおっしゃる通りなのでしょう。 かなり難しいです。

温度のコントロールは 高断熱 高性能エアコンで簡単にできます。 湿度は難しいですが 少しづつ解決できてきています。
残りは気流と 輻射面の温度
人間は 体の内部は27度くらい有るが 表面に出ている皮膚は37度までなく 少し低い温度です。
夏場は着衣量が少ないですし露出している面積も多いですから 輻射面温度が30度くらいでも 体から熱がうまく放出されるそうです。
ですから 壁、床、天井の温度を30度くらいまでコントロールできれば 気温は少々高くても快適性は上がるようです。

窓を少し開けて風がながせれば効果的です。窓を開けると外の輻射面の温度の影響をたくさん受けます。
前が道路だったりすると最悪です。
樹木などで木陰が出来ていたりするとその下の温度は低いですからそこから放射される温度は小さくなりますね。
窓がある側の見える場所の温度環境がとても重要なのがおわかりいただけると思います。
周囲の環境をそのようにできない場合は 外付けのブラインドが最適ですね。

まずは面の温度のコントロールそれがとても重要と言うことです。
当社ではいち早く室内の面温度のコントロールを試みています。
某メーカーと一緒に作った施設ではこの夏とても良い環境が作り出せました。
とても心地よい空間です。
現在作り始めている多くの建物にその技術の採用が始まっています。

快適なリゾート地でゆったり、まったりするような 気持ちいい空間を 自宅で味わってもらう。
「もうおうちから出たく無い!!」
皆にそう言ってもらえるような 家造りを目指してがんばります。

既存住宅現況検査技術者

既存住宅の流通が促進されるために 調査をする資格を取りに行ってきました。

日本では 新たに住宅を求めるときに新築が85% 既存の住宅が15%だそうです。
皆新しい新築住宅を求める割合が高いようです。

一方 欧米では その逆で新築が20%位 既存の住宅が80%ぐらいとなっています。
普段から 住宅を住み替える習慣が高く 今ある住宅を上手にリフォームして売買されています。
ですから 安く住み替えが出来ますし 市場規模も大きく経済にも貢献しています。

日本では住宅への支出が高く 生活が豊かにならない原因がこの辺にあるのかもしれませんね。 

住宅への投資は増えているのですが 資産が増えない状態になっているようです

日本では中古の家に移り住むという習慣が少ないため 住宅の改修が進みません
ですが それを促進する必要があります。
そのため 今ある建物の不具合を見つけ お客さんに判断材料となる指標を与える仕事が 
既存中宅現況検査技術者です。

今後重要になってくる仕事ではないかと思います。

2016年10月15日土曜日

給湯器メーカーさん主催の団体

給湯器メーカーさん主催のグループの視察がありました。

近所に今 作っている工事現場の視察をしてもらい パッシブハウスの視察です。
近所の家は2世帯住宅です。
もちろん 性能はピカイチの高断熱住宅です。
普段見慣れている高断熱住宅とは 明らかなレベル差がありますので 皆さんびっくりしておりました。
お正月に住めるように工事は順調に進んでいます。この冬がとても楽しみです。

パッシブハウスも見ていただいたのですが20名以上の大人数でしたので 曇り日で外気温は15度くらい 室温は23.5度だったのですが 人間の体温で室温が上がって入ってしまいます。
私のセミナー修了時は24.5度まで上がりました。
空気は暖めても 壁や木材等まで暖まらないのでその後又戻っていますね。

パッシブハウスの冬はこの人体や家電製品の内部発熱と太陽の日射を利用します。
無暖房とはいえ 人間ヒーターを利用します。(笑)

パッシブハウスは めちゃくちゃ断熱材が熱いというわけではありません。
壁は126mmしか断熱してありません。
これだけの性能なのに めちゃくちゃ薄いでしょ。
何が違うか。
設計手法、技術かな?

体感しないと解らないと思いますが 今までの建物と違う 異次元の世界なので びっくりしますよ。




北海道の工務店さん視察

昨日は北海道の工務店さんたちの視察を受け入れました。
この工務店さんは壁400mm500mm断熱をする工務店さんでとてもレベルが高いのでいろいろ話が聞けそうだと思い視察の受け入れをしました。

この方は勉強もとてもしていますが長年の経験で実践しながら良い家を作り続けてきた人です。
高断熱の家造りのパイオニアです
経験、実践の積み重ねは とても重要です。
湿度 温度などは計算では解らないこともとても多いのです。
全体的なことが計算では見えても 建物は複雑ですし 気候の変化や立地条件なども複雑です。

そのようなことを組み合わせると 計算では解らないこともあり 経験がものを言います。

今パッシブハウスレベルの家で問題になっている 「3月9月問題。」
(私が以前命名したのですが 業界ではまだはやらない。早く皆さん使い始めてくださいな。)

太陽に素直に設計すると エネルギー消費量はとても減ってくるのですが この問題が起こってきます。
冬は太陽高度が低いので 南面の窓からたくさんの日射を取り入れお部屋の中を温かくします。
夏は太陽高度が高いので庇で遮り 日射を家の中に入れないようにします。
12月 1月 2月はうまいこと 太陽の光が部屋の中に入るので とてもお部屋が暖かくなります。
秩父パッシブハウスでは全く暖房が入らないほどです。
実際に暖房は全く付けません。
ところが3月になると 太陽の高度がだんだん高くなり 南側の窓からの日射が入りにくくなってくるのです。

そのため 暖房をしない環境下では2月より3月の方が寒いという事態が起こります。
(暖房すればすぐは温かくなりますが。)
一年中暖房を必要としない秩父パッシブハウスでは 3月が一番寒いのです。

それと同じように9月にも問題が生じます。
7月8月に光をうまく遮っていた庇の効果が9月には無くなるのです。
夏に高かった太陽高度も 9月には低くなります。
そのため 日差しがお部屋の中に入るようになってしまうのです。
ですから 9月もお部屋の中が熱くなってしまいます。
エアコンが必要な日が多くなってしまうのです。
(必要だと入っても少し使えばすぐ快適な状態を維持できますのでエネルギー消費は少なめです)

その辺の話しから盛り上がり さらに高断熱なら 窓はいらないだろうという話になりました。
「家自体を土に埋めてしまえ」みたいな感じです。
内部発熱もあるので必ずしも日射が必要ではないだろう。という発想です。
地下室がうまく止水できて断熱できて結露が起こらない状態が作れれば本当に良い条件になるでしょう。
とても静かで温度も安定します。

興味ある人がいましたら 作らせてください!!



2016年10月10日月曜日

エコワン

皆さんエコワンってご存知ですか?
ガス給湯器とエコキュートのハイブリッド給湯機です。

http://rinnai.jp/products/waterheater/hybrid/ecoone/

普段はエコキュートのように電気でお湯を作りタンクにためておきます。
タンクは100Lと少し小さめです。
エコキュートと同じヒートポンプという技術で効率よくお湯を作ります。
とても省エネです。

しかしヒートポンプには弱点があります。
ヒートポンプはとても効率はいいのですが それほどパワーがないので
少しづつゆっくりしかお湯が作れません。
とても時間がかかります。
そのため 深夜電力を使うエコキュートは370L 470Lと大きなタンクが必要なのですね。

大きなタンクにたくさんのお湯を作っておくのはとても無駄です。
朝7時に作られても約半日もたった夜にお風呂に入るわけですから 冷めてますよね。 
また、日によって使い方が違えば たくさん使い残してしまうかもしれません。

そこで、普通に使う時だけ間に合うくらいにタンクを小さくして たくさんいっぺんに使うときはガスでバックアップしようと考えられたのが エコワンです。

100Lのタンクですから無理に深夜に沸かさなくても使う少し前に沸かせば満タンです。
普通のスピードで使っていくのなら沸かしながら使うので問題ありません。

シャワーや洗面、キッチンなどでいっぺんに使うときにはその時だけガスでバックアップします。

普段は効率の良いヒートポンプ。パワーが必要な時はガス
タンクが大きくないので無駄も少なくて済みます。

とても理にかなった素晴らしい給湯機です。
トータルのエネルギー削減もとても優れています。

今でもとてもお得となる給湯機ですが、今後さらに期待されます。

今まで深夜電力がとても安かったのですがだんだん高くなってきています。
私の記憶だと 1kWh当たり5円台の時もありました。
今だと17.46円 3倍くらいの値段です。

さらに ヒートポンプの効率の問題があります。電気の1の力で3の熱が作れればcop3.0の効率といわれますが これは 外の温度が高い時の効率です。冬の朝などは秩父は氷点下ですから 効率はとても下がり copは2を切ります。温かい時の半分の効率になってしまいます。
エコキュートは朝の一番寒い時に一生懸命お湯を作るのですがエコワンは使ったときにお湯を作ります。ですから比較的に外気温が温かい時間にお湯を作るので効率が高くなります。

前にお話ししたようにお湯が冷める問題でもとても有利です。

もう一点は 今後来る問題です。
太陽光発電の買い取り価格がどんどん下がっています。
最初は1kWh当たり48円で売ることができた太陽光発電も今は31円
だんだん20円くらいまで下がっていくようです。売るくらいなら自分の家で使ってしまったほうが得になるようになってきます。太陽が出ている時間帯は売らないでできるだけ自宅で使うというのが理想です。この時間帯にエコワンでお湯を作るのです。10年間の固定買取が終わった家などは特にそうなるでしょう。

スマートライフプランになり オール電化の基本料が高くなりがちなのも見逃せませんね。

ガスでバックアップしますから お湯が使いたいときに湯切れの心配がなくふんだんに使えるというのも大きな魅力です。

皆が寝静まった深夜にお湯を沸かすために騒音などで問題になることも少なそうですね。


このように様々な利点があります。
しかし欠点もないわけではありません。
 
機械が少し高い
機械が複雑
ガスの基本料金もかかる

このようなこともありますが 多くのメリットを考えたら エコワンは絶対におすすめです。
みなさんもいろいろ調べて研究してみてくださいね。

私も3年前にすでに導入して使っております。
めちゃくちゃ省エネ実感中です。上手に使えばガスはほとんど使わずに済んでしまいます。
ガスの給湯機メーカーが作ったのですが ガス屋さん泣かせですね。(笑)



2016年10月7日金曜日

巨大地震に備えよう。

南海トラフ地震の最新のシミュレーションが公開された。
https://youtu.be/Vcy4yk1L_qg
被害は今までの地震をはるかに越える。
起こってしまったらどうにもならない規模だ。

こちらは首都直下地震
https://youtu.be/IAtID8kf3AU
首都直下地震では秩父でも大きな被害が予想される。
内陸のどこで地震が起こっても不思議でないらしい。
ライフラインは止まり交通も寸断され、食料、燃料も何もかもとまる。
数日間は持ちこたえられる備えが必要だ。
建物は安全に作っても食料などの最低限の備えがなければならないだろう。