断熱性の確保や日射のコントロールが出来て、温度がある程度コントロールできるようになると、次は、温度変化を少なくしたり,湿度のコントロールだ。
とてつもない高断熱の住宅は、熱がほとんど逃げないから,冬場日射を取り込むと日射熱があまりオーバーヒートを起こす。
とてももったいない。
そこで日中余った熱をうまく蓄熱し、それを夜間放熱するようにすると温度むらを減らすことが出来る。
それには熱容量の大きい部材を使い蓄熱量を増やすのだ。
おおむね170kJ/K㎡あると良いとされているが、普通の作り方ではそこまでの熱容量はなかなか稼げない。
最近、蓄熱量を稼ぐ部材として,土壁が脚光を浴びている。
昔から使われてきた身近な材料が見直されてきているのだ。
熱容量もまあまああり、温度を安定させる力がある。
土壁には他に湿気をすう力もある。
夏場の湿度を下げる効果もあるようだ。
仕上げだけに珪藻土という場合より下塗りが土壁という方が効果もありそうだ。
しかし、これは高断熱の躯体であり窓を閉めていると言うことが大前提で 普通断熱の住宅で窓を開けて夏の暑くてじめじめした空気を取り込んでいてはそれほど効果は無いらしい。
それでは湿度はあまり下がらない。
吸うスピード、量より、入ってくる量の方が多いからだ。
昔の農家などで土壁の家が涼しく感じるのは、湿度の影響では無く、壁や土間の温度が低く冷輻射の影響だろう。
今回、私が手に入れた土壁で造った家の温湿度の測定データーを見ても、湿度のコントロールはそれほどでもなかった。蓄熱による室温安定の効果も少なかったように思う。
このような結果になったのは、建ものの断熱量が少ないからだと思った。
次世代省エネ基準をちょっと良くした位の内容だったのが、原因だと推測される。
まずは、断熱が大切であると言うことのようだ。
きちんと断熱された土壁の家のデーターも見てみたい。
冬の,湿度の下がりすぎがあるのでは無いかと言うこともある。
しかし、土壁の秘めたポテンシャルは高い。
パッシブハウスとうまく融合させ,さらに快適で環境に優しい住まい造りにもチャレンジしてみたい。
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