2015年5月31日日曜日

地中熱利用 どこまで。

地中熱利用はどこまで可能なのだろうか?
今日は 新技術開発を見せてもらうために招待され筑波の研究施設にに行ってきました 。
地中熱利用の可能性を見てきました。
とても 環境の良い研究施設です。

この建物に地中熱利用の設備が設置されています。
地中熱利用といっても 温泉のようにとても暖かい熱があってそれを直接取り出すのではありません。
地中の温度は15度くらいで安定しています。(すごく深いところは別)
井戸水が夏冷たくて 冬暖かいのも その地中の温度のためです。
夏場15度の水なら冷たく感じるし、冬場15度なら暖かく感じますよね。
しかし 冬場の快適な室内の温度は20度以上です。
地中の温度を直接使うのでは寒いです。
どうするのかというと ヒートポンプという技術です。
その仕組みを説明すると長くなるので簡単に言うと エアコンやエコキュートと同じという説明にしておきます。
違うところは エコキュートやエアコンは外の空気の熱を奪ってそれを室内の暖房に使いますが地中熱利用は地面の熱や地下水の熱を奪って暖房の熱を作ります。

地面を深く掘ってパイプを埋めその中を通る水などによって熱を奪うのです。
その熱を利用してヒートポンプで効率よくさらに熱を作ります。
ヒートポンプを動かすために投入したエネルギーより大きな熱が作れるのがヒートポンプの特徴で その効率をCOPといいます。
投入した電気のエネルギーの3倍の熱エネルギーが出せれば COP3.0です。


今回見せていただいた実験施設は 暖房時でCOP3.0位でした。
現在のエアコンも関東のようなそれほど寒くない地域で使うなら実効値ではこんなもんでしょうから、すごく効率の良いというものではありません。
でも、廃熱が地中に逃がせ直接外に出ないで夏冬通して差し引きされるのを考えると地球環境には良いのでしょうね。

問題は 工事費です。
エアコンは普及し当たり前の設備となり効率よく熱を作る機械としてはとても安いです。
地中熱の設備は 穴を何十メートルと掘りその中にパイプを入れなくてはなりません。とても工事費がかかります。

暖房時に外気温が低くて空気ではヒートポンプの効率がとても悪い場合には有効かもしれません。しかし寒い地域では冷房需要が少なく 暖房期ばかり稼働させることになってしまうかもしれません。そうすると地中の温度が下がる一方になってしまいCOPが年々悪くなっていくと言うこともあるかもしれません。

普及は ヒートポンプそのものの技術は年々上がっていますから、簡単に安く地中にパイプを埋める技術にかかっていると思います。
現在のところは、これらの技術開発を待ってからということになりそうです。

akerun あけるん 設置しました。!!鍵がいらない

スマホで鍵が開け閉めできます。
これが akerun
http://akerun.com/
せっちしてみました・。
設置はとても簡単でした。

設置後スマホに アプリを入れ 設定します

このような画面で開け閉めします。
オートロックもするのでとても便利です。

36000円もしますが メーカーが用意している カードキーやポケットキーも 結構な値段がしますからどっちがいいか微妙ですね。

もちろん鍵も使えます。

中大規模木造建築

日曜日でしたが 
製材による中大規模木造建築の勉強に行ってきました。
東京大学の弥生講堂でした
木造の感じのいいきれいな建物です。


山辺先生の構造計算した持ち送り重ね梁すばらしいです。建てた後の木材の収縮やそのメンテ
変形量を考慮したプレロード 様々なことを考慮しています。


「住宅屋なのだから中大規模木造は関係ないのじゃないか」と思われるかもしれませんが大きな仕事に巡り会うかもしれません。(笑)
まあ冗談ですけど(笑)
この技術を勉強することが今後の住宅建築の役に立てばと思っています。

私が 高断熱や 耐震性を高めているのは 元はといえば 住宅を長持ちさせたかったからです。
使えるのに立て替えられていく住宅がたくさんあることは悲しいことです。
建て替えられるのには様々な理由が考えられます。
耐久性が限界なのはもちろんです。
しかしほかにも 耐震性が低くて安全性が少なければ、建て替えや大規模なリフォームを考えなくてはなりません。
寒くて住み心地が悪ければ 住宅に愛着がわかず 建て替えたくなってしまいます。これではしっかり作っても早く壊されてしまいます。
法律の都合やすんでいる人の都合で壊されるとしても長持ちする住宅とはいえません。

壊されないための要素として重要なのが 「間取り」です。
家族の構成の変化によって 「間取り」に要求される要素もずいぶん変わります。
家族が増えたから,減ったからと行って簡単に変えられませんよね。
若いから,年をとったからと行って 簡単に間取りを変えられませんよね。

そう考えると 長持ちする家を作るには 間取りの可変性が大きな要素となってきます。
そのための今回の勉強です。
住宅の構造体を 間取りと分離したものとし 間取りは 使い方によって大きく可変できるものとしておくのです。
そのようにする場合は 今の住宅の構造設計とは少し違う方法も考えなくてはなりません。
一つの大きな空間として構造を作らなくてはなりません。
それを実現する方法に何かヒントはないかと今回勉強に来ました。

最近 見せ場を作るため、様々な細かい見よう見まねの要求のため。間取りの工夫が過剰となり間取りが複雑になって来ています。
本当にそれが良いのでしょうか?
先に話したように 「すむ人の構成や年齢が変わる」だけで間取りに対する要求は変わってきます。
さらに 「ライフスタイルの変化」でも大きく変わります。
近年でも 和室でたたみ主体の住み方が リビングでフローリングと変わりました。
独立したキッチンも 続き間のキッチンに さらには対面キッチンに 最近ではオープンキッチンへと変化しています。
江戸時代などは 逆に畳ではなく 土間や板の間です。
短い時間でも流行や科学の進化、生活の変化など いろいろな条件で間取りが変わってしまいます。


現代の住宅は長持ちします。長い目で見て変化に対応できるようにしておくことが重要だと思います。
すぐ建て替えるからいいやという方もいらっしゃるかもしれません。そういう方はいいのですが、これからは良いものを長く使う時代です。経済性からも環境の面からも今までのような使い捨ての世の中から脱却しなくてはなりません。これからの日本が「使い捨てが続けられるほど豊かな成長が続く」ということはないような気がします。

「お父さん、おじいちゃんが作ってくれた良い家があってよかったなぁ」と思ってもらえる家を作りましょう。
そんなお手伝いがしたいです。
それが、将来の経済性にも環境にもプラスになることなのです。

見た目だけ、値段だけではない 長く使える安全で住み心地のいい家を作っていきたいです。
そのために 日々努力を続けます。

2015年5月26日火曜日

勉強!!おいしいご飯!!

午前中は 「HEAT20」の 説明会
午後は「健康省エネ住宅の国民会議」のシンポジウム参加と一日中大忙しでした。
[HEAT20]は以前もブログに書いたような気がしますが 断熱性能を高め住み心地をあげつつ省エネ使用という取り組み。
現在の省エネ基準では弱いのでそれを補うような基準を作ってそれを目標に家造りを進めようという感じです。
基準ぎりぎりではなく実際にすむ人のためによりよい家を作っていこうという姿勢が見えます。
午後の「健康省エネ住宅を推進する国民会議」は 医学的な側面を交えて住宅の質が健康に及ぼす影響を把握し健康的な住宅を作っていこうという団体のシンポジウムでした。
健康は個人の運動や食生活などの問題にとどまらず 住宅の質の影響も大きいです。
交通事故で亡くなる方は自動車の安全性能が高くなり年々減少し 近年では年間6000名ほどになりました。
一方 住宅が寒くて 浴室などで倒れ おぼれたり転倒したりして死ぬ人は19000人もいます。
これは 温度が低いのと リビングなどの暖房室と 浴室やトイレなどの非暖房室の温度差が原因です。
しかし、住宅に要求される内容で多いのは 間取りや、デザイン、コスト、光熱費などに偏っています。温度ムラなどの性能が問われることはまれです。
住宅を構成する素材も見た目ばかりが問われ 安全性はあまり注目されません。考えている人でも一部に珪藻土や漆喰などの自然素材を使うことで安全性が担保されるかのような勘違いをする人もいます。
カビやダニの発生を減らすには温度湿度ののコントロールも大切です。

温度ムラが少ない住宅、化学物質が少ない住宅、など 考えなければいけません。

慶応大学の伊加賀先生の基調講演の内容で当社も協力した住宅のデーターが発表されていました。
そのときに協力していただいたお施主様ありがとうございました。

シンポジウムの内容も良かったですが、今日は私たちと同じような考えを持つ人たちが集まり最先端な情報交換ができたことがラッキーでした。みな勉強しているので刺激になります。
いろいろ私に話しかけてくれる方も多いのですが、顔は思い出せても名前が思い出せない人もたくさんいました。
名前を覚えるのが苦手なので困っています。申し訳ございません。
私が変わったことを始めたり試したりしているのをどこで聞きつけるのかな?

東京での楽しみといえば食事です。
お昼にがっつり食べました。


お好み焼き 焼きそば ご飯セット!!
炭水化物の食べ過ぎ!!
健康住宅を作っているのに 食生活がこれじゃ矛盾してるかも? 自問自答です。!!

でも おいしいもの食べてストレス発散も 健康にいいってことで 無理矢理なっとく!!

2015年5月19日火曜日

ゼロエネ住宅が本格的に普及していきそうです。

ZEH(ゼロエネルギーハウス)が本格的にはやってきそうです。
今日は、一部上場の商社さんが 当社に勉強にやってきました。
ゼロエネルギーハウス普及のためのユニットを立ち上げ ノウハウをパッケージ化してはやらせていくらしいです。
いろいろ熱心に聞かれていきました。
かなり勉強されているようで こちらの話がスムーズに伝わるので説明がとてもラクでした。

建材を取り扱う大手商社がZEHを本格的に取り組むと言うことは これが今後の商売になると
言うことを意味しています。
これからの家造りがZEHが当たり前になっていくと言うことです。

当社のノウハウをいろいろ聞いてとてもびっくりしていました。
私が20年積み上げてきて試行錯誤してきた内容なのでかなり価値あると思います。
どんなに勉強してもなかなか得られないノウハウです。

今情報があふれているので、本当のことを見つけるのがとても大変です。
私のように時間をかけて実践してこないと、聞きかじった情報を鵜呑みにして間違えてしまいます。
どうしてこうしているのか?そうしなくてはならないのか?などネットや本,TVで得られる情報ではわかりません。世の中、嘘もたくさんあります。
本物を見分けていかなくてはなりません。

性能とコスト、長寿命 いろいろな側面で良いものを選んで使いこなしていくのは大変です。
そんな、考え方など たくさん話してしまいました。
有料にすれば良かったかな?

大きな材料メーカーや 商社 大手ハウスメーカーの開発の人などは 私の話を聞きに来るのに
近くの工務店の人は来ないのです。
うちをライバル視してもしょうがないのに。
家造りは 同じ内容なら 工務店が 一番安く良い家を作れるのは当たり前です。
だけど 技術を学ばないと、時代遅れになっちゃいます。勉強していない工務店さんが 差がついちゃうのが心配です。
大きいところは会社の生き残りをかけて 必死さが伝わってきます。 

今日の方たちも ジョークをたくさん飛ばしてましたが 必死さが伝わってきました。
優秀な人たちがさらに努力しています。
私も負けないように追いつかれないようにがんばります。

2015年5月16日土曜日

木造の防耐火設計

今日は「木の建築フォラム」の研修会に出席してきました。
今年の目標は 建物の「防耐火」を極めること。

今まで 木造住宅は防耐火にはなじまないと考え 半ばあきらめ半分でした。
内装に木を使いにくくなったりして 自由がきかない感じがしていました。
外壁には 火にとても強い「パワーボード」を使っているので 隣家からのもらい火を防げれば それが防耐火を考慮している位に思っていました。
木造で最近行われている 「省令準耐火」も木をたくさん使いたいというのを理由にあまり真剣に取り組んでは来ませんでした。
しかし、火災は恐ろしいものです。
どんなに気をつけていても間違いは起こります。
万が一にでも家の中で火災が起これば、人命にも関わりますし、大切な様々な財産を失ってしまいます。
それを守るのも建築家の重要な使命だと思います。
中途半端な知識で中途半端な設計をするのではなく きちんと勉強をして自信を持った設計をできなくてはならないと思いました。

私は木造建築の中心的な組織「木の建築フォラム」に若いときから入っています。
そこで、木造の防耐火の集中的な勉強会が行われることをしり参加しました。
講師は安井先生です。日本で一番建物を燃やしている先生らしいです。理論だけの方ではなく最先端の情報を持ちながら実際に実践されている先生を見つけることが重要です。長い間の経験でわかってきました。評論、研究だけの先生は、どこかずれていることがありますよね。

今日が初めての勉強会だったのですが、とても良かったです。様々な実験映像を見ながらどのようなことが重要か。どんな燃え方をしていくのか。法的なことなども学びました。
私は地域の消防団に19年入っていて分団長までさせていただきました。たくさんの火災現場に行って消火活動をしてきましたのでどんな燃え方をするか知っているつもりでした。火災の恐ろしさも十分しっているつもりでした。
しかし、燃え始めは見たことがありません。消防が駆けつけるときはすでにたくさん燃えているときです。今日の映像は燃えはじめや火の伝わり方、燃え抜けがどのようにしていくかなど、初期の火災のものです。
建物の防耐火は 初期の火災が需要です。安全に避難することが最重要です。
燃え広がり方を知っておくことはとても重要なのです。

木造は ほかの構造に比べて燃えやすくて危険というイメージがあります。
しかし、そうでもないと言うことがわかりました。
作り方を工夫することによりとても安全性は高くできます。
むしろ鉄筋コンクリート造のような火災に強いとされる建物でも 内部の仕上げなどによりとても危険になると言うことがわかりました。
その違いによる映像もとても衝撃的でした。鉄筋コンクリートの耐火建築物でも小さな火種で わずか30秒でフラッシュオーバーになってしまうことがあります。内装をすべて杉板を貼っている建ものでもきちんと感が得られていればなかなか燃え広がりません。

近年では、大規模な公共の建物や学校でも木造で建てられるようになってきました。
今年あたりは木造の高層建築も可能になるようです。
木造が作り方によってはとても火に強いと言うことがわかってきた証だと思います。

私もこの集中講座で木造の防耐火技術を身につけ高層の木造にチャレンジしてみたいです。
まずは、できるだけ火災に安全な建物を作っていこうと思います。