2014年3月24日月曜日

ファイスト博士来日!!

パッシブハウスの概念を作ったファイスト博士が来日されます。

4月の18日 都内で講演会です。
待ちに待った日がいよいよ来ます。

ファイスト博士の他に「エクセルギー」の世界的権威の宿谷先生。エネルギー問題の第一人者でパッシブハウスジャパンの理事の飯田さんも講演されます。
このビックメンバー、凄いですね。
それぞれが、大勢の人を集めることが出来る大物です。
世界の最先端の話が聞けそうです。

私たち、パッシブハウスジャパンのメンバーも会場のお手伝いをします。
会場の案内などが忙しすぎて,講演を聴くことが出来なくなることが心配ですが、一生懸命お手伝いしたいと思います。
http://passivehouse-japan.jimdo.com/2014/03/23/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%88%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%81%AE%E6%9D%A5%E6%97%A5%E3%81%AB%E4%BC%B4%E3%81%86%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/

2014年3月21日金曜日

窓の重要性 続き4

窓の重要性が理解できてくると、冬場上手に日射熱を取り込めるように、窓を配置出来るようになります。
ですが、その窓は夏場も日射熱を取り込んでしまいます。
夏場 暑くなってしまうのは困りますね。
夏場は出来るだけ日射を取り込みたくありません。

冬場、日射熱を取り込むための窓は主に南側の窓です。
このまどに,夏場日射が入り込みにくくします。

皆さんお気づきだと思いますが、夏場南の窓の日射を遮るのには庇(ひさし)が最適です。
冬の太陽高度は低く30℃くらいで 庇が邪魔にならずお日様の光が取りいてられ 夏場真上を通過する太陽には庇で遮ることが出来ます。
庇の長さを調整することで上手に取り込む日射量をコントロールすることが出来ます。
現在はとても良い温熱シミュレーションソフトがありますから、庇の高さ、長さなど変化させてみて 冬場の暖房負荷のエネルギー 夏場の冷房負荷のエネルギーを確かめることが出来ます。この数値を見ながらライフスタイルに合わせて考えてみるのが良いでしょう。

エアコンがあまり好きで無いという場合など夏優先の庇の長い設計にしてみるのも良いでしょう。
エネルギーの総量を減らしたいのであれば冬優先に庇が短めの方が有利かもしれません。
夏場は暑いとき35℃くらいから28℃にすればまあまあ快適ですから7℃だけ冷やせば良いことになります。
冬場の寒いときは外気温が0度以下。それを20度まで暖房しなくてはなりません。なんと20度も暖めなくてはなりません。温度差だけ考えても3倍あります。
それに期間の長さの違いがあります。冷房が必要な時期は7,8,9月 暖房が必要な時期は11,12,1,2,3月。必要なエネルギーの総量が全く違います。エコな生活をするのであれば、冬優先の家の方が断然良いと言うことが解ります。
夏はちょっと我慢して通風でしのぐことも出来ますからね。

またこんな考え方もあります。暖房に薪やペレットなどの環境負荷の少ないものを使うと言うことです。一次エネルギーで考えるのであれば,電気を使うのは不利です。電気はガスや原油などの化石燃料を燃やし電気を起こします。そのときの発電ロス、家庭に送り届ける送電ロスなどあります。電気のエネルギーを「1」得るのに「3」以上のエネルギーが使われています。電気のエネルギーを使うのは、あまり効率の良いことでは無いのです。
そうすると夏場電気を出来るだけ電気を使わないで冬場は環境負荷の少ないエネルギーでということも出てきます。そうなると 夏優先の日射遮蔽の出来た家も良いでしょう。

もちろん、薪ストーブが大好きだから。という単純な理由もあるでしょうね。

日射遮蔽は、他の方法でも出来ます。
庇は作ってしまうと長くしたり,短くしたりすることは出来ませんが、オーニングのような伸び縮み出来るような布製の庇もあります。これでしたら夏はめいっぱい伸ばして日差しを遮り 冬は短くして日差しを取り込むことが出来ますね。
そのほか 窓の外側にブラインド、ロールスクリーンなどを設置するのも効果的です。開け閉めしやすいですね。
グリーンカーテンなども良いですね。ゴーヤやヘチマなど蔓が伸びていって葉っぱがいっぱいになる植物で光を遮ります。
お手入れは若干手間がかかりますが,見た目も良く癒やされます。

このように,遮ってコントロールも出来ますから やはり窓は日射を取り込むところは取り込めるように上手に設計しておくことが大切ですね。

2014年3月20日木曜日

窓の重要性 続き3

「窓」 といっても 構成部材は 主に3っつに分けて考えられます。

1.ガラス

2.枠

3.スペーサー

です。
この3っつの性能を組み合わせて 窓の性能を求めます。

現在の窓はどんどん進化しています。
これは、ドイツのメーカーのサッシの断面です。
凄いですね。
まず、ガラスですが もちろんガラスは3枚
熱を反射するLOW-E膜は2層
空気層はアルゴンガスが2層です。
ガラスの熱貫流率は0.5W/㎡Kのものもあります。

次に 枠ですが 熱を伝えにくい樹脂で出来ています。
空気の層もたくさん分かれていて熱を伝えにくく出来ているばかりで無く大きな空間にはウレタンの断熱材も入っています。

最後にスペーサー
これはガラスの空気層を維持するためのガラスとガラスの間に挟んでいる物ですが ここも熱を伝えます。一般的にはアルミで出来ていますが,最近は樹脂になっています。写真のものはなぜかアルミのサンプルです。現在は樹脂です。

このように3つの部材を組み合わせて出来ているわけですがどれか一つでも悪いと性能ががくんと落ちてしまいます。
また、高性能な窓では、枠よりもガラスの性能の方が高いため 窓が大きくてガラスの面積の割合が大きいほど窓の性能は高めになります。

しかし、窓の性能が比較的高いと言っても高断熱な壁に比べればまだまだです。窓が大きい家の方が熱はたくさん逃げてしまいます。

前回お話しした日射の取得は窓が大きい方が有利ですから,逃げる熱と取得できる熱の割合を考えて上手に窓の大きさを設計することが重要となります。


2014年3月18日火曜日

窓の重要性 続き2

前回は窓から得られる日射熱についてお話ししました。
今回は逃げる熱です。

窓からどのくらいの熱が逃げるのでしょうか?
現在の暖かい家の指標となっている「次世代省エネ基準」というものがあります。私はこの基準では,大して暖かくなく,快適ではないしエネルギーの消費量も大きくて省エネでは無いことをお話ししておりますが、とりあえず「世界から笑いものにさえなっている」この基準がありますのでこの基準からお話ししましょう。
関東のこの地域は北海道並みに気温がマイナス10度くらいになるときがありますが,断熱の地域区分では一応Ⅳ地域 関東や関西みんなほとんどこの地域です。
そうしますと、空気層が6mmのペアガラスで良いことになります。
熱貫流率で4.65W/(㎡・K)
これは室内と屋外の外気温差が1℃の時、面積1㎡の窓から4.65Wの熱が逃げることを示します。
40坪の家の窓が約40平米あるとします。
秩父の、この窓から逃げる熱量は一時間あたりどのくらいでしょうか?
秩父の一月の平均気温が0℃として室内が20℃と仮定しましょう。
4.65×40×(20-0)=3720W
なんと3720Wストーブ1台分くらいです。
窓だけでストーブ1台分必要なのです。
当社で使っているサッシは 熱貫流率が1.1W/(㎡・K)位ですから
1.1*40*(20-0)=880W
となります。
ずいぶん違いますね。
さらに当社の場合上手に窓の大きさを考えます。
普通一般的な引き違いの窓が一番安いのでこの窓をたくさん使っているたてものが多いですが、気密、通風、採光など考えて縦滑り出しなどの窓をたくさん使います。そうすると南面以外の日射進入があまりいらない面の窓は面積を小さくすることが出来ます。全体の面積を35平米くらいに出来たとすると
1.1×35×(20-0)=770W
わずか770W ですみます。
あまり小さくしすぎで通風や採光が悪くならないよう注意が必要ですが、上手に配置すれば可能です。

家全体から逃げる熱と窓から逃げる熱の割合を見てみましょう。
家全体から逃げる熱の上限が次世代基準は2.7W/㎡・kとなっています
40坪の家は132㎡ですから
2.7×132×(20-0)=7128W
先ほどの基準ぎりぎりの窓が3720W逃げるのですから
約半分の熱が窓から逃げていくことになります。
これで窓の重要性が解ると思います。

住宅メーカーもさすがにこれが解ってか,あるいは単なる結露を減らしたいだけか,もうワンランク上の アルミ樹脂遮断構造でlow-eガラスのペアに変えたりしています。
Uw=3.49というものです。これがほとんどですね。
これでも2792Wも熱が逃げます。
このサッシでも結露はだいぶ起きますけどね。
ようやくUw=2.33のサッシを使い始めたところもあります。

当社のような高断熱な住宅の場合
Q=1.0としますと家全体から逃げる熱は
1.0*132*20=2640W
先ほどの計算で窓から770W逃げるとすると
超高断熱な家でも窓から逃げるの割合が30%もあります。
わずか35㎡の窓からです。
外に面する全体の面積は 壁が200㎡ 総二階なら屋根は66㎡ 全体ではおよそ300平米くらいあります。(あと床と換気がありますがしょうりゃくします。)
窓の面積は全体の10%ちょっとです。
これほど高性能な窓を使っても10%の面積で30%の熱が逃げることになります。
壁や天井など どんなに断熱をしても性能の低い窓を使ったら台無しです。

秩父はマイナス10℃になることもあります。
本当はもっと大変なことになるのが容易に想像できます。

皆さん、「樹脂アルミさっしでLOW-Eペアガラスだから暖かいですよ」などという営業マンがいたら、その根拠を聞いてみてくださいね。
しっかり答えられるかどうか?
「知識も無いのに、うまいことい言ってるな」と見抜けるようになったら家造りを進めましょう。
悲しい現状ですが住宅の営業マンは建築の内容に関してはほとんど素人ですから、だまされないでくださいね。


2014年3月17日月曜日

窓の重要性 続き

先日のブログで窓の重要性についてお話ししました。

冬場、太陽の日射熱は、どのくらいの量なのでしょうか?

秩父の量のグラフです。
南面の黄色いグラフを見てみましょう。
冬場の太陽の高度は低いですが南側はとても良く日が当たるのが解ります。
逆に夏場は太陽高度が高いのでほとんど真上を通過して南面にはあまり日が当たりません。庇などを上手に作れば夏の日射はほぼ遮れますね。
南面の冬の日射量、凄いと思いませんか?
これを,数字で見てみましょう。
1月の日射量が135kWh/㎡くらいですね。
一般的に南側につけられる一番多いサイズのサッシは
幅165cm高さ2mです。
面積は3.3㎡となります。
窓の日射進入率を60%とすると
この窓から一ヶ月に得られる熱量は
135×3.3×=267.3kWhです。
1月は31日日が当たる時間が7時から4時までの9時間と仮定すると
この窓から得られるい時間あたりの熱量は
267.3÷31÷9=0.958kWh=958Whとなります。
なんと約958Whです。
凄いですね。
炬燵が600W位ですからその1.5倍
石油ファンヒーターの「弱」運転くらいです。
窓、一カ所でこんなにあります。
普通の住宅ではこのくらいの大きさの窓が1,2階合わせると4つくらいでしょうか?
そうすると やく4000W ストーブつけっぱなし分の熱が入ってくることになります。
昨年当社で建てたUさま邸のように 窓をめいっぱい取った住宅ですと凄いです。 南面の窓が20㎡以上もありますから6000W以上の熱がとれます。
凄いですね。これが無料ですよ。!!
太陽の熱は皆公平に無料です。
ありがたいなぁ!!
これを使わない手はありません。
太陽光を載せるためだけに屋根を大きくして南面の窓が小さな家がいかに理にかなっていないか,解りますよね。

注意点もあります。窓を大きくすると窓から熱が逃げます。
窓は壁ほど断熱できていませんから。
次はこの逃げる熱も含めて 考えてみましょう。



2014年3月16日日曜日

省エネ住宅の新しい考え方

パッシブハウスジャパンの総会に行ってきました。
日本を代表する優れた温熱環境の建ものを作っているそうそうたるメンバーが,一同に顔を合わせる滅多に無い機会です。
森さんや松尾さん、各地のエリアリーダーたちや北海道から九州までのレベルの高いメンバーが、集まります。
皆さんの取り組みや事例を聞いたり、話し合ったり とても刺激的な一日でした。
会の中で省エネで環境負荷の少ない建もののあり方が議論されました。
パッシブハウスレベルの建ものはもちろん良いのですが、なかなかそこまでは目指すのは正直大変です。暖房負荷が15KWh/㎡というのがパッシブハウスの条件ですが、たとえばそれが50kwh/㎡あったとしても一次消費エネルギーが60KWh/㎡であればそれはエコな家です。 太陽熱温水器でお湯を作ったり暖房がペレットストーブであったりとか、一次消費エネルギーが少なく環境負荷が少なければそれはすばらしい建ものでは無いだろうかというものです。
確かにそうですね。そういう建ものもとても素敵です。
ある程度の性能は確保出来れば 少ないエネルギーで暖房できます。
それをさらに再生可能エネルギーでまかなえれば、パッシブハウス並みの環境負荷の建ものと言えると思います。住み心地は違いますけどね。
提案されたのはX<160-2Yという式です。
Xが一次消費エネルギー(家全体で使う暖房、冷房、照明、換気、給湯などのえねるぎー)
Yが暖房負荷(暖房で使うエネルギー:これで住み心地がだいぶ変わります)
まだ計算はしていませんが、それでもこの式を満たすには、暖房負荷を50kwh/㎡位には押さえなくてはならないでしょうね。照明や換気のエネルギーもありますから。ですから、まあまあの住み心地にはなるわけです。
 ***ここでの「まあまあ」はあくまでも私たちの考えるレベルの建ものでの話であって他の工務店、メーカーが作る建物とは全く別物です。あえて例を挙げればスェーデンハウスに薪ストーブ太陽熱温水器をつけたくらいでは無いでしょうか?そのうち検証してみます。***
総会次の日のエリアリーダー会議では 日本全国のエリアリーダーがこの式を満たす建もののプロトタイプを設計しようということになりました。北海道のリーダーは北海道に合うものを。九州のリーダーは九州のものをといった具合です。これを示せれば,各地の仲間たちがチャレンジしやすくなると思います。
関東版は秩父の気象データーじゃなくやっぱり東京でやったほうがいいのかな
かな?日射取得が難しい条件をつけた方が良いのかな?

2014年3月3日月曜日

旭化成さんの広告に出てます。!!

秩父パッシブハウスが 旭化成さんの宣伝に使われています。
http://neoma.jp/
↑↑↑リンク見てください
先月、取材を受けましたが、どんなふうに使われるか解りませんでした。
これほど、大きくつかわれるとは。
すごい!!
当社の連絡先、当社のキャラクターの「だいくまさん」までのっています。
これは凄い宣伝効果です。
私の写真も大きく出てて恥ずかしいですが、元が悪い割には素敵に撮っていただきました。さすがプロのカメラマン。
文面中、秩父市と書いてありますが,小鹿野町は秩父郡ですね。
まあいいか。いずれは合併するかもしれないし。
「冬場、外気温がマイナスになることも」と書かれていますが、朝の温度は,いつでもマイナスです。山間部なのでマイナス5度は当たり前ですね。時にはマイナス10度。青森市や新潟市より朝の冷え込みはずっと寒いです。ここは北海道秩父市といいたいくらい。
記事は建設当時のデーターと現在のデーターがちょっと混じってしまっています。私のデータの提供の仕方が悪く混乱させてしまったみたいですね。数字的に少し直さなくてはいけないところもあります。
どの時点のものが良いのかな?
現在のものか,パッシブハウスの認定をとったときのものか?
秩父パッシブハウスは現在も進化中。
温水器は真空タイプにしたり 日射遮蔽などもパワーアップ。
現在は東京電力を使わない、ガスや灯油を使わない(これは元々)など外部からのエネルギー供給を一切受けない,オフグリッド化が進行中。
さらに進んだ形になっています。

超一流企業の広告に、こんなに大きく取り上げてもらってありがたいですね。
旭化成さんありがとうございます。

岩前先生のページも分かり易くて濃い内容が書かれています。
住宅の性能と温度の関係です。
室内の温度環境がどれ程健康に重要か解りますよね。

外人の「日本の家は寒いです。」
というのも笑っちゃいますね。
シベリアや、アラスカの人が「日本の家は寒くて身の危険を感じた。」
と言っていますね。
日本人、我慢強過ぎ!!(*^O^*)
暖かい家を作った当社のOB施主さんの中には真冬でも常夏状態にしている人もいます。どんなに寒い外国でも 皆、こんな感じなのかな?
おうちの中はポカポカ快適なのでしょうね。