2014年3月18日火曜日

窓の重要性 続き2

前回は窓から得られる日射熱についてお話ししました。
今回は逃げる熱です。

窓からどのくらいの熱が逃げるのでしょうか?
現在の暖かい家の指標となっている「次世代省エネ基準」というものがあります。私はこの基準では,大して暖かくなく,快適ではないしエネルギーの消費量も大きくて省エネでは無いことをお話ししておりますが、とりあえず「世界から笑いものにさえなっている」この基準がありますのでこの基準からお話ししましょう。
関東のこの地域は北海道並みに気温がマイナス10度くらいになるときがありますが,断熱の地域区分では一応Ⅳ地域 関東や関西みんなほとんどこの地域です。
そうしますと、空気層が6mmのペアガラスで良いことになります。
熱貫流率で4.65W/(㎡・K)
これは室内と屋外の外気温差が1℃の時、面積1㎡の窓から4.65Wの熱が逃げることを示します。
40坪の家の窓が約40平米あるとします。
秩父の、この窓から逃げる熱量は一時間あたりどのくらいでしょうか?
秩父の一月の平均気温が0℃として室内が20℃と仮定しましょう。
4.65×40×(20-0)=3720W
なんと3720Wストーブ1台分くらいです。
窓だけでストーブ1台分必要なのです。
当社で使っているサッシは 熱貫流率が1.1W/(㎡・K)位ですから
1.1*40*(20-0)=880W
となります。
ずいぶん違いますね。
さらに当社の場合上手に窓の大きさを考えます。
普通一般的な引き違いの窓が一番安いのでこの窓をたくさん使っているたてものが多いですが、気密、通風、採光など考えて縦滑り出しなどの窓をたくさん使います。そうすると南面以外の日射進入があまりいらない面の窓は面積を小さくすることが出来ます。全体の面積を35平米くらいに出来たとすると
1.1×35×(20-0)=770W
わずか770W ですみます。
あまり小さくしすぎで通風や採光が悪くならないよう注意が必要ですが、上手に配置すれば可能です。

家全体から逃げる熱と窓から逃げる熱の割合を見てみましょう。
家全体から逃げる熱の上限が次世代基準は2.7W/㎡・kとなっています
40坪の家は132㎡ですから
2.7×132×(20-0)=7128W
先ほどの基準ぎりぎりの窓が3720W逃げるのですから
約半分の熱が窓から逃げていくことになります。
これで窓の重要性が解ると思います。

住宅メーカーもさすがにこれが解ってか,あるいは単なる結露を減らしたいだけか,もうワンランク上の アルミ樹脂遮断構造でlow-eガラスのペアに変えたりしています。
Uw=3.49というものです。これがほとんどですね。
これでも2792Wも熱が逃げます。
このサッシでも結露はだいぶ起きますけどね。
ようやくUw=2.33のサッシを使い始めたところもあります。

当社のような高断熱な住宅の場合
Q=1.0としますと家全体から逃げる熱は
1.0*132*20=2640W
先ほどの計算で窓から770W逃げるとすると
超高断熱な家でも窓から逃げるの割合が30%もあります。
わずか35㎡の窓からです。
外に面する全体の面積は 壁が200㎡ 総二階なら屋根は66㎡ 全体ではおよそ300平米くらいあります。(あと床と換気がありますがしょうりゃくします。)
窓の面積は全体の10%ちょっとです。
これほど高性能な窓を使っても10%の面積で30%の熱が逃げることになります。
壁や天井など どんなに断熱をしても性能の低い窓を使ったら台無しです。

秩父はマイナス10℃になることもあります。
本当はもっと大変なことになるのが容易に想像できます。

皆さん、「樹脂アルミさっしでLOW-Eペアガラスだから暖かいですよ」などという営業マンがいたら、その根拠を聞いてみてくださいね。
しっかり答えられるかどうか?
「知識も無いのに、うまいことい言ってるな」と見抜けるようになったら家造りを進めましょう。
悲しい現状ですが住宅の営業マンは建築の内容に関してはほとんど素人ですから、だまされないでくださいね。


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