昨日、岐阜の工務店の視察に行ってきました。
この工務店は、たぶん日本で一番の温熱環境の工務店だと思います。
いつか見学させてもらおうと思っておりましたが、今回、ようやく機会に恵まれました。
工事途中の現場を3現場も見せてもらい 5年前に建てた測定中のモデル棟、昨年建てたモデル棟の見学が出来ました。
出し惜しみ無く、あらゆる技術を公開してくれ、大変参考になりました。
そこで、凄いのは土壁です。
どうして今、土壁なのかと疑問もあるかと思います。
断熱を多くしていくととても省エネで快適になっていきます。当社の住宅もそうです。
むしろ、この工務店さんより断熱性能は高いくらいです。
このくらいのハイレベルになってくると、冬の暖房性能は軽くクリアできます。
しかし、問題が2点残ります。
一つは湿度の問題です。夏場は湿度が高くそれを取り除かねばなりません。
エアコンをかければ簡単ですが、この工務店では極力エアコンを使わない方法をと考え土壁にしたようです。土の湿度調整機能がどのくらいあるのかはわかりませんが、効果が発揮できているようです。
もう一つは 温度むらの問題です。前ブログに書いたと思いますが、高断熱の住宅は少しの熱ですぐ暖かくなります。私のパッシブハウスでも無暖房状態で朝起きたときの温度がすでに18度。日中日が当たってくると、徐々に高くなり午後には25度を超えます。まだ25度くらいなら心地よい暖かさと言えますが、それを超えてくると完全にオーバーヒートです。時には窓を開けて熱を逃がす必要があります。高性能住宅では残念ながら熱を無駄に捨てなくてはならないこともおきてしまうのです。この捨てなくてはならない熱をうまく蓄えて夜温度が下がったら放熱させようというのが蓄熱です。
土壁はこの熱を蓄える性能があります。温度変化を緩やかにする性能があります。
一挙両得を狙ったわけです。
当社のパッシブハウスでは、基礎のボリュームを大きくし、この性能を持たせています。
工期、施工性、価格、強度など土壁の問題点も若干ありますが、それ以上の効果があると思います。
当社でもチャレンジしてみたいところです。
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