2017年8月31日木曜日

温暖地での設計

広島視察で考えさせられたこと。
温暖地での設計のバランスの取り方です。
外皮性能をどこまであげるか?日射取得ををどこまでするか?
遮蔽をどこまでするか?
そのバランスをどこにするかが大切です。
今回の広島は6地域
冬の日射、夏の日射ともたくさんあります
冬、氷点下になることはまれにしかないようです。
月の冷房費は000円、暖房費は000円と言っていました。(エアコン冷暖房。プライバシーあるのではっきり書きません。)
これほど温暖な環境にありながら冬の暖房代が夏の2.5倍 冬の暖房期間の方が長いですから年間の暖房エネルギーは冷房エネルギーの5倍位になるかもしれません。
普通に考えると暖房負荷を減らすために冬の日射取得をあげて行きたくなりますが冬の日射取得はかなり絞っています。夏を意識した設計です。あまり大きくない南面の日射遮蔽は庇でした。上手に窓の大きさに合わせた小庇をつかっています。
窓が小さめですので、住宅内は少し薄暗く、落ち着いたとても良い感じです。冬はもう少し明るさがほしいと感じるかも知れないですね。
日射取得するということは、暖房負荷を減らせるということもありますが、冬のオーバーヒートや一日の温度ムラを大きくすることにもなります。
エネルギーを減らせても快適性が上がるとは限らないわけです。
今回見せていただいた住宅は、UAが0.27ととても外皮性能がいいですから、冷房かけても暖房かけてもすぐ効きますし、エネルギーも少ないはずです。
ですからこのように、日射取得をあえて減らすという作戦がとれるわけですね。
これを、まあまあ断熱のおうちで真似をすると大変なことになると感じました。
地域の気候を理解しそれを上手に解決していく。地元工務店ならではのすばらしい手法でした。
ハウスメーカーではとても真似できませんね。

2017年8月30日水曜日

エアコンのメンテナンスを考えて

HEAT20の会議で広島に来ています。
会議の前に広島で先進的な建築をしているカオル建設さんの建物を見せていただきました。      
この建物は広島という比較的温暖な場所にありながらUA0.27というとても高性能な建物です。
さすがに窓の付け方は夏優先。
冷房はエアコンが2台、暖房用床下エアコンが1台という構成です。
エアコンは機械なのでいつ壊れてもおかしくないですね。
この家はその時のことを考えてとても取り替えやすくつけられていました。
勉強になります。
他にも見所はたくさんありました。出先からの報告でした。

2017年8月28日月曜日

YKK体感ショールーム

YKKの体感ショールームがおもしろいです。

写真をとってはいけないので言葉だけで。

未来の窓コーナー
 
窓がテレビになったり照明になったりいろいろなことができます。ブラインドもカーテンもガラスに絵のように表示されます。(笑)触るだけで窓の開け閉めも。

日射熱の体感コーナー

窓の枠のグレード ガラスのグレードごとに 1番から16番くらいまで展示してあり 西日などで入ってくる熱の量の違いが触ってわかります。
アルミ枠の1枚ガラス→普通のペアガラス→LOW-Eガラスなどと変わっていき 最後が当社で使っていいる樹脂サッシのダブルLOE-Eトリプルガラスです。
性能が全く違うのにお客様もびっくりされていました。

音のコーナー

外で 踏切の音や犬の鳴き声 ピアノの音などならして窓による音の違いを比べます。
ガラスの枚数や厚さ サッシの開き方の違いで音の入り方が全く違うのを体感してもらいます。私の設計でどうしてそのサッシが選ばれているのか納得してもらえたようです。

風のコーナー

煙が充満した部屋のまどを開け換気によりどのくらいのスピードで煙がなくなるか見れるお部屋です。
大きさは同じでも窓の種類の差で煙がなくなるスピードが全く違うのがわかります。
どの窓を付けるか?どちらを開けるか?そんな勉強です。

結露のコーナー

日射熱のコーナーと同じように窓がたくさんなrなんでいます。
枠の違いやガラスの違いでどのくらい結露するかがわかります。
私が選んでいるサッシがとても高性能でそこでは全く結露していないし触ってもガラスの表面温度が全く冷たくなく室温と同じなのにはびっくりしていました。

そしてメインがいろいろなグレードの家を体験できるコーナー

新省エネ基準 25年基準 YKK推奨1 YKK推奨2 パッシブハウス基準の家と続きます。
どのおうちも外を2℃まで冷やしてリビングを20℃まで暖めています。
新省エネ基準の家は室温は20度あっても壁や窓はとても冷たい。もちろん結露も起こっています。床もたっていられないくらい冷たい。子供も寒いと大騒ぎ。その家の廊下に移動するのですがYKKの案内係の人が急に寒くなるので体調の悪い人はやめてくれというレベル。移動してみると外と同じ感じぐらいまで寒い。確かに昔の家はこんな感じでしたね。

そこからいきなりパッシブハウスクラスの家に移動。
リビングは温乗り暖かくて気持ちいい。 窓も壁も床もほとんど同じような温度。とても快適。子供たちもこんな感じ。ここだけ特別に撮影許可もらいました。

どれだけ気持ちいいかわかるでしょ。
皆で廊下に移動してもリビングとそれほど温度が変わらないこともびっくり。
「髙橋建築さんの家はこのクラスですよ。」YKKさんに説明してもらってみんなとても安心していました。

そして25年基準の家に移動。次世代省エネルギー基準です。
ほとんどの工務店やハウスメーカーが「国のお墨付きのレベルの暖かい家ですよ。」と説明し自慢しているレベル。パッシブハウスを体感した後じゃかわいそうですが「えっ!国の目標がこのレベルなのですか?」と質問が出るほど。残念ですけどそうなんです。寒いのです。廊下もとてもさむい。ちょっと残念ですね。

このように体感ショールームとてもおもしろいです。是非皆さんも行ってみませんか?
プロにしか公開していないので当社の同行が必要です。
今回も3組のお客様をご案内しました。
一組だけだと大変なので3組以上集まりそうならご案内したいと思います。
ご興味のあるかたはご連絡ください。

でもこのショールームにお客様を案内するって他の工務店は難しいと思う。
だって、普段使っているサッシより良いサッシがたくさんあることがばれちゃうし
パッシブハウスクラスのグレードの家に案内したら自分が作っている家と比較されてとても困りそう。

パッシブハウスアジアカンファレンス当日2

海外からのお客様からの発表も興味を引くものでした。

まずは中国
日本は住宅性能でも抜かれてしまいました。
パッシブハウスは2年くらい前くらいから作られ始めたと言うことで日本より遅いのですが爆発的にはやり日本の何十倍何百倍となっているようです。
どんどん作られています。
これは、政府がてこ入れしているからです。
日本のように政府が適当に断熱かを奨励しているのではなく 国策でやっています。
住宅の性能も海外との競争という考えのようです。
ですからどんどん建ち快適な住環境に住める人がどんどん増えています。
省によって違うようですが、パッシブハウスを作るのに増加する費用はすべて負担してくれるところもあるそうです。
うらやましいですね。
これならどんどん増えていきますね。
これからは中国で作られたパッシブハウス用の建材なども出てくるのではないかと思います。数が違いますから安く提供されることと思います。

韓国はというと 日本のようにスローペースです。
中国からの黄砂やPM2.5の影響などをもろに受けているらしく、窓開けなどできない期間も多いし、換気システムの清掃メンテナンスも大変と言うことです。

台湾は全く暖房がいらないとのことです。沖縄もですけど。
しかし、冷房負荷や除湿負荷が膨大でパッシブハウスを作るのも難易度が高いようです。
台湾より沖縄の方が湿度が高いみたいでした。

これからアジアの各国でどんどんパッシブハウスが作られていきます。
品質においても数においても もっと日本はがんばらなくてはいけませんね。

パッシブハウスアジアカンファレンス当日

東京大学の伊藤謝恩ホールでパッシブハウスアジアカンファレンスが行われました。
パッシブハウスジャパンのみんなで運営です。
私もメンバーなのですが今回はVIP扱いと言うことで準備に来なくてもいいと言われてしまいました。寂しい。
今回のカンファレンスの主題は夏の冷房除湿。
パッシブハウスという概念ができたドイツではあまり関係の無かったことです。
パッシブハウスが世界中に徐々に広がりだんだん問題になってきました。

パッシブハウスが目指す温度が温度20℃から25℃です。
湿度は12g/kg
これは絶対湿度といって普段使っている相対湿度とは違いますね。
皆さん聞き慣れないのではないでしょうか?
普段の相対湿度は露点温度の水蒸気量を100%として含まれる水蒸気量を表します。
結露を考えるのにはとてもわかりやすい指標です。
絶対湿度とは空気1kgに含まれる水蒸気の重さです。単位を見るとわかりますね。
単位はg/kg 
快適さを考えるときにはとてもわかりやすい指標です。
温度によって空気に含むことの水蒸気量は違います。空気線図というものを使って見るとわかりやすいですね。

横軸が温度。縦軸が絶対湿度。斜めが相対湿度です。今回の夏の基準のぎりぎりが青丸です。25℃ 12g/kgです。 空気線図から相対湿度が60%と読み取れます。
湿度60%を超えるとちょっと不快感が出てくるというのは私の感覚にもぴったりです。
25℃ですから70%位までは我慢できますけど。(笑)
今回の東大のホールの温度コントロールがまさにパッシブハウス基準だったので私がそれを題材にしたら炎上してしまいました。(笑)
「さすが東大!」と


これでは寒すぎると大学の先生など多数から意見(笑)
でも私たちパッシブハウスを実際に作り体感している者は、最初はそう思うけど これを味わい続けると離れられないと。他の家には住みたくなくなると。
パッシブハウスレベルに届かない、住んだことない実務者も寒いと言っていました。
今回はホールで動かないで話聞いているだけですからね。寒いと感じるのもわかります。

快適さは温度湿度だけでは無いことは確かです。
温度が若干高くなっても湿度が低ければ皮膚から水蒸気が発散されて気化潜熱で熱が奪われますから快適感は感じられます。
服を脱げば(着衣量を減らす)もちろん快適感は上がります。
風があれば(気流をあげる)もちろん快適感は上がります。
じっとしていれば(作業量が少ない)もちろん快適感は上がります。
某大学の先生のプレゼンではその辺を言いたかったのだと思いますが今回はそこが論点ではありませんでしたのでちょっと残念でした。おもしろかったですけど。


その大学の先生のプレゼン 30℃越えでも服を脱ぎじっとしていれば 快適にしのげる人もいるというもの。確かにそうですけど。(笑)

パッシブハウス基準は あくまでも 多くの人たちが普通の生活をするときの快適温度。
それの基準です。
ですから 20℃ 12g/kgを維持するのにどのくらいの設備が必要か?どのくらい省エネに暮らせる家を作れるのかが重要ですね。
そういう家を作っておけばどんな住み方もできます。
 エアコンで快適に暮らすのが好きな人はそうすればいいし、風入れが好きな人はそうすればいいし、服を脱いでじっとしていれば涼しい人はそうすればいいだけですからね。
ですが 多くな人が快適さを感じられるように作っておく。まずは 家の性能です。

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パッシブハウス アジアカンファレンス初日

パッシブハウスの国際会議が東京で開かれました。
初日は 当社で作った旭化成さんの ネオマワールドの見学
パッシブハウス研究所のシュニーダース博士や海外のお客様と日本のお客様数十人に来てもらいご案内しました。
海外のお客様はさすがにパッシブハウスの研究や建築をされている方なのでとても目が肥えています。
見るところがプロそのもの。
仕組みや納まりなど細かく聞いてきます。
やはり熱橋の処理の仕方などの質問が多かったと思います。
私は英語がほとんどできないので単語とスケッチで説明でした。
皆さん感心されてとても好評でした。
写真撮影禁止なので写真はありません。

見学の後はセミナー
登壇者は数名いたのですが なんと私以外皆さん英語で発表
私だけ通訳してもらいながらの発表となりました。
何とも情けない感じです。
内容はまあまあだったと思いますけど(笑)
普通のエアコンを使っての湿度コントロールの仕組み、柔らかい気流での冷房の仕組み(特許出願中)換気の経路など興味深く聞いていただけたと思います。

給気冷房

茨城パッシブハウスに行ってきました。
久しぶりのの訪問です。
今回はパッシブハウス研究所のシュニーダース博士と森みわさんと同行させていただきました。












近年、パッシブハウスクラスの住宅でより夏を快適に過ごすかが重要になってきています。
日本は高温多湿でとても対策が大変です。
本当に暑い日には風を入れても全く涼しくない日もたくさんありますし、たとえ風を入れてもじめっとしてとても快適とは言えません。
何とか我慢しながら夏をしのいでいる感じでしょうか?
エアコンを使えばかなり改善されますが、最近のエアコンは温度の下がりはいいけど湿度がとれない感じですね。
カラッと気持ち良い涼しさみたいな感じになりにくいときがあります。
それは、最近のエアコン特有な現象です。
温度(顕熱)を下げるための効率を優先するように作られているため除湿能力が低くなっているのです。
今回は某大手エアコンメーカーさんも一緒だったのでその辺の動作がどうなっているのかいろいろ聞くことができました。
除湿に関してはかなり難しい設定です。
茨城パッシブハウスでは新しい試みをしています。
給気冷房という方法です。
24時間換気の給気(SA)側に熱交換ユニットを入れ 冷房除湿し各部屋に分配します。
24時間換気の給気量ですから1時間あたり150m3位ですね。エアコンの風量の数十分の一です。これだけの風量でも涼しくなるパッシブハウスの性能ならではの仕組みです。
普通の高断熱レベルの家だと冷え切りません。
それなら風量を増やせば良いのではないかと思われるかもしれませんが、それではうまく除湿が促進されません。

理屈は簡単なようですが様々な問題もあります。
今はその問題点を少しづつクリアーにしています。
メーカーさんも本腰を入れてくれそうなので今後の展開が楽しみです。
これができれば、パッシブハウスレベルの家に限ってですがとてもシンプルに冷暖房が納まるようになります。

2017年8月7日月曜日

気密試験

現在進めている旭化成建材さんとの共同プロジェクト。
外張り断熱施工が終わりました。
今回のプロジェクトの趣旨は確実で簡単な施工方法の確立。
いろいろなアイディアを出させていただきました。施工もずっとカメラが回りっぱなし。
でも大工さんたちはいつも通り丁寧な施工をしてくれました。

IBECのセミナー

IBEC主催の「健康と省エネの住宅の推進」
というシンポジウムに工務店の代表というような形で出席してきました。

右から二番目が私
大学の先生や研究者さんたちと一緒の登壇ですし聞きに来てるかたもめちゃくちゃ有名な方たちばかりなので少々緊張ぎみでしたが、あまりしがらみもないのでわりと言いたい放題言ってきました。(笑)
それが逆に皆さんに響いたらしくその後多くの方に声をかけていただきました。

今日の見学者も大勢でした。

今日も大勢のかたにご見学いただきました。
今日はネオマフォーム、ゼウスを研究して作っている研究者や工場の皆さん。
バスでいらしていただきました。
普段は材料の研究などされている方かだで実際にどのように使われているか勉強に来たとのことです。
普段から良い製品を作っていただいています。
本当に有難うございます。
さらに使いやすくなるため、今後ともよろしくお願いします。

2017年8月2日水曜日

外壁 外断熱施工


旭化成建材さんとのプロジェクト進んでます。
今日は外壁、外張り断熱の施工です。施工の検証しています。カメラマンさん。技術の人、商品開発の人等白色な人がきてくださってます。
すごい勢いで貼っています。
旭化成建材の人たちも当社の技術にはビックリしているようです。