最近、太陽光発電が増えています。固定買い取り制度が始まり、簡単に元が取れるようになったことが浸透し解ってきたからでしょう。
確かに、太陽光発電は自然エネルギーを増やし化石燃料の使用量を減らすという意味ではとても効果があります。すばらしいことです。
太陽光発電の売電で収入が得られることにしか目が行かないと危険です。
太陽光発電をたくさん付け売電量を増やすため、大きな屋根をかける住宅が多くなってきました。
大きな屋根をかけるため 大きな平屋にしたり 2階だけど太陽光の設置優先で2階の南側に窓の無いプランまで登場しています。
本当にそれで良いのでしょうか?
確かに屋根を大きくして太陽光をたくさん設置すればエネルギーの取得量は増えます。
しかし、窓からの日射取得量は減ってしまうのです。
太陽光のエネルギーの電気への変換率はまだまだです。
パネルの変換効率、パワコンのロスなど考えると16%くらいでしょうか?
窓からの日射エネルギーはどうでしょう?
高断熱の硝子でも60%以上のもの熱を取り入れられるものもあります。
当社ではその様なものを使っています。
太陽光発電に比べておよそ4倍もの効率です。
お日様が当たる窓の前はぽかぽかで気持ちいいですよね。
凄い量の熱エネルギーを太陽から直接いただいているのです。上手に窓をつければファンヒーター数個分に相当するほどです。
高断熱な住宅であれば、上手にその熱を蓄え夜になってからでもぽかぽかです。
その熱エネルギーを捨ててしまって発電することが本当に得なのでしょうか?
太陽光発電パネルをたくさん設置するにはお金がかかりますよね。
イニシャルコストも大変です。
上手に窓がつけられないと暖房代金も増えてしまう。
エネルギーの面で、さらに考えなくてはならないこともあります。
大きな屋根をかけられるようにすると言うことは、屋根面積、外壁面積、基礎の面積が増えると言うことです。
断熱の仕方が同じであれば、これらの面積が増えた割合だけ熱が逃げる量が多くなります。
逃げる熱が多くなった分だけ、さらに多くの冷暖房のエネルギーが増えることになるのです。
このように、エネルギーの面で見ただけでも、大きな屋根にして太陽光発電をたくさん載せることが得なのかそんなのか解らなくなりますね。きちんと計算してバランスを取ることが大事なのです。
太陽光発電で収入が増えても暖房費がずっとかかり続けるばからしい話です。
お金の話、エネルギーの話より重要なこともあります。
住み心地、健康の話です。
寒いおうちで我慢しながら暮らしたいですか?熱ロスが大きな家は家の中の温度むらがとても多くなります。
どこに行っても快適な温度でストレス無く生活出来た方が良いですよね。温度湿度がうまくコントロールできれば、カビなども生えにくく健康的です。
そういうおうちは、病気にもなりにくく医療費も少ないということも解っています。
冬場にお日様が、さんさんとさすお部屋と暗いお部屋どちらが良いですか?南側に窓がとれないと言うことは西東に大きな窓を取らざる終えないと言うことですよ。そういうお部屋は夏には暑いでしょうね。
家は快適にすむためのシェルターであるばかりでは無く、家族との憩いの場所です。太陽光発電で儲けるためのものではありません。
まずは、住宅の快適性を確保する。次に自然エネルギーの上手な使い方を考える。基本的なことを間違えてはだめですね。
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