2015年9月29日火曜日

JBN ZEH委員会

本日も 東京の貸し会議室。
午前は構造塾で学んで 午後はJBN(工務店の大きな団体)のZEH委員会と環境委員会です。

今後は地域の小さな工務店もゼロエネルギーハウス作りに取り組んでいかなくてはなりません。
我々普段から ゼロエネルギーハウスを創っている先進的な工務店が中心となって 日本の工務店すべてがゼロエネルギーハウスを建てていけるように 考えていこうという委員会です。

もうすでに ZEHが地域工務店も当たり前になりつつあります。
しかし,出遅れている 多くの工務店もあります。それらの工務店は 腕は良いのに 時代の流れについて行けていないだけです。大手ハウスメーカよりとても 長持ちする良い家を作っているのですが 新しいものに取り組めていないだけです。
本当にもったいないです。
そのような工務店のお手伝いが出来ていければと思います。

快適な家造りを目指す話はたのしい!!

大手めーかーの研究のかたと打ち合わせと会食。

老舗の天ぷら屋さんです。
すごくおいしいのです。
私の歴史に残る一番の天ぷらに間違いありません。

しかし、これが残念なことに、いろいろなお話しするのがめちゃくちゃ楽しくてなかなかあじわえません。
もったいない!!
「味あわなくては!」とたまに我に帰り味わっていました。
この素晴らしいお料理には申し訳ないのですが、技術屋の私には、新しい技術や夢を語ることが何よりのおかず!!
どんなおいしい料理やお酒でも、楽しい話にはかないません。
めちゃくちゃたのしかった。
今日も楽しい勉強ができて、とてもいい1日でした。

2015年9月28日月曜日

ハウスメーカーの質問状2

あの、ハウスメーカーの質問状を建築屋さんがたくさんあつまるフェイスブックにアップしました。
一般のかたに公開は出来ませんが今までないほどの、反響をいただきました。
こういうネタってうけるのですね。

多くは、「誰に喧嘩売っているんだろうね。相手が悪かったね。」と私の力を認めてくださっている方たちの投稿。
残りの少しは、「これからの高性能住宅をきちんとお客さんが選べるようになってしまうと、このハウスメーカーも大変だね。」という同情。
ハウスメーカーも性能あまり良くないこともばれてきてるし、大きい会社だからってつぶれることはないというよりは、むしろいつおかしくなるかわからないということもわかっているし、大きなところほど利益優先で嘘がおおい。ってこともわかりはじめてきました。
消費者もばかじゃありません。
宣伝や営業にお金かけないで、家そのものにお金かけてほしいですね。

2015年9月26日土曜日

ハウスメーカーからの質問状!!

今日、お客様と打合せでした。
高断熱で有名なハウスメーカーさんと相見積もり。

とても、おもしろいことがあったのでお客様のプライバシーなどに触れない程度に皆さんの参考に書き込みます。

当社は 初回の図面見積もり提出です。
ひと通り説明が終わるとお客様から一枚の紙を手渡されました。

「ハウスメーカーからの質問状」です。

工務店にこれを聞いてみろ!という内容のものでした。
工務店なんか馬鹿で頼りないからまともに答えら得れないよ。
小規模で保証もしっかりしてないよ。
みたいな事を確認する内容でした。

質問内容を列挙してみます。
1 資本金
2 従業員数
3 出資会社
4 施工棟数/年
5 工法構造は?
6 断熱気密は
  UA値 C値 C値を全棟測定しているか?
7 換気は?
8 窓は?(プラマードⅢorエピソードorその他)
9 断熱
  床:断熱材は?(  )厚さ?
  壁:ウレタンフォームorセルロースファイバー厚さ?
  屋根裏:断熱材は(  )厚さ?
10 耐震に対しては?
11 保証は何年
  (  )年ごと合計(  )回 カルテなどの履歴はあるか? 有・無
  担当者は社員?はい・いいえ
12 定期検診はあるか? 有・無
13 アフターメンテナンス定期点検
14 内装
15 シロアリ対策は?
16 住宅設備は
  クリナップorその他
17 依頼する工法の施工実績は
18 木材の太さは?
  ( )寸 樹種は( ) 樹齢は( )年 含水率は( )%
19 パッシブハウス
  はいorいいえ
20 担当者は社員?or委託業者?
21 定期巡回はしてくれるの?
  (契約後、引き渡し後のお付き合い)
22 担当者が1軒ごとに決められているか?
23 ○年毎、合計○回、点検内容などが決定されているか?
24 カルテなどの履歴の付け方、表示方法は?
25 施工管理は誰が行うの?社内に何名在籍されているの?
26 現場確認の頻度?(週に何回?複数人チェック?)
27 ひとりスーパー社長スタイル?
   2代目・3代目・・・世帯交代後の組織体系は?
28 資本金、従業員数、創業年数など、不足の自体に耐えられる企業か?
29 親会社・出資会社はどこ?
30 業者様は、過去も今も一貫して同じものづくりをしていますか?
31 Q値(断熱性)算定は1軒毎に実施してくれるのか?
32 C値(気密性)測定は1軒毎に実施してくれるか?
33 経年変化による性能劣化に対してどんな対策がなされているのか?
   (新築時だけ高性能とならないように)
34 ランニングコストは?

ダブるところは少し省きましが こんな感じです。

このハウスメーカーさんも必死ですね。
不謹慎ですが ちょっと笑っちゃいました。

頑張っている工務店の内容を完全になめてますね。
そんなの聞いて比較するとかえって墓穴を掘ることになりますよね。
あまり知識の無い営業さん部隊が必死でつくった資料なのでしょうが
ちょっと残念。でも自分の会社の性能が他社より優れていると思い込むことは
とても立派です。でも、いろいろな角度から比較出来ることが大切ですね。
でも、自分たちが一番自信を持っているところで圧倒的に惨敗するとは思ってもみなかったでしょうね。

今回、これだけメーカーの焦りを見ると考えさせられます。
ネットが発展して お客さんがきちんと勉強して きちんと比較出来る世の中になるとアメリカやヨーロッパのようにハウスメーカーがなく 工務店や建築士さんに住宅を依頼する世界になるのではないかと思いました。
ちゃんと比較したら比較にならないことが解りますからね。
今までは、きれいなカタログや コマーシャル、営業力でで決められていましたから。

2015年9月25日金曜日

コンセントから空気を出入りさせない工夫。

前回のブログの「コンセントから風」の問題を施工上どうすれば良いのでしょうか?
コンセントの裏にあるコンセントBOXを箱形をした特別なシートで覆います。
この箱形をしたシートは気密コンセントBOXといいます。
壁の中を通してある電線も隙間無く通せるように出来ています。

もう一つの方法は電線や配管などのスペースと断熱材のスペースをきちんと分離してポリエチレンシートで仕切る方法
この方法なら さらに安全性が高いです。 室内に側に木をつけて3cmのスペースを創っています。そこに電線を通します。シートは貫通させません。その分、室内は少し狭くなってしまいます。
エアコンのスリーブも先にきちんと配管しておき貫通部はテープ処理しておきます。後でエアコンの穴を開けるのはとても危険です。最初に開けておきましょう。

家を建てる方は 住宅会社がどのような方法をとるか きちんと確認しましょう!!
これは高断熱には当たり前の技術です。
そこまでやる必要ないと言われたら要注意ですよ!!






コンセントから風が!!

先日、打ち合わせしたお客さんからきいたはなし。
築,2,3年の新しいアパートに住んでいるという。
そのアパートのコンセントから風が出てくるというのである。
よく聞く話ではあるが、超大手の○○が建てた、新築アパート。
見ためはきれいなアパートだ。
お客さんは はじめは、壁体内をうまく空気が循環し新しい画期的な仕組みと勘違いしていたとのお話。

しかし、真冬にそこから出てくる冷たい風。
暖房効果はもちろん落ちる。
その冷たい風で ちょっと違うと気がついた。
寒いだけならまだいい。
それより心配なのは、壁体内結露だ。
コンセントの穴を通して空気が出入りしていると言うことは、暖房されて水蒸気を含んだ空気が、壁体内にどんどん入り込んでいると言うこと。
室内側の壁は暖房により暖められても、屋外側は外の寒い温度が伝わり冷たい壁。
そこに 室内の水蒸気を含んだ暖かい空気が当たれば 氷水の入ったつめたいグラスの表面と同じように水滴がつく。これが壁体内結露だ。
壁体内結露が起きると カビなどの繁殖も多くなる。
体にとても悪い。
建物の傷みも早い。
断熱材の内部を空気が移動すると断熱材の効果も半分以下になる。
暖房エネルギー垂れ流しだ。

大手のメーカーでも この有様だからどうしようも無い。
大手は,研究開発もしているはずだから、このあたりのことは絶対に知っているはず。
当社のパッシブハウスを見学に来た大手メーカーの研究員は皆とても優秀だった。

コスト優先に きちんと施工しない 確信犯だ。
大きなところほど、基準のぎりぎりを狙い、コストを優先する。
気がつかれなければいいという,不誠実な対応。
売れるものが正しいという市場主義。
住宅業界は本当に恐ろしい。

お客さんが勉強してこういう施工をしてくれとメーカーにお願いしなくてはならないのか?
それは不可能だろう。
インターネットも都合のいい嘘の情報があふれている。
それを見極めるのは大変だ。

2015年9月13日日曜日

寒冷地のオール電化住宅の事例を見て

北海道の光輝建設さんの作った住宅の測定結果を見せてもらった。
この建物は500mm断熱の建物です。

北海道電力の技術の人たちが測定をして実際の温度や電力量を測定しました。

1月の一日の最低気温は-5℃から-20度くらいまで下がります。
やはり日の出前の朝がその日のうちの最低気温となります。

平均気温も マイナス温度です。 この温度が秩父の最低気温と同じくらいです。
ですから秩父を2段階くらい寒くしたようなイメージではないでしょうか?

その寒い地域でオール電化です。
オール電化というと料理はもちろん暖房、給湯も電気です。
特に暖房、給湯にエアコン、エコキュートと ヒートポンプを使った住宅ですから大変興味があります。

ご存じの方も多いかと思いますが エアコンエコキュートに使われているヒートポンプという技術は
とてもすごい技術です。
エアコンなら1のエネルギーから6とか7とかの熱エネルギーを取り出すことができます。
エコキュートでも1のエネルギーから3くらいの熱を取り出せます。
しかしこれは良い条件がそろったときの数値です。
外気温が低いととても効率が落ちるのです。
ですから この技術は残念ながら寒冷地には効かないと言われていました。

私も15年エコキュートを使っていて夏と冬の効率の差を体感していました。斗維持の実測値ではひと月お湯を沸かすのに夏は1000円以下 冬は3000円近くとおよそ三倍効率が悪かったようです。ですから冬はほとんどヒートポンプの効果は少ない感じでした。copが1に近い感じでした。
しかし技術は日進月歩です。最近の技術の進歩でどのくらいなのか。より寒冷地でも効果があるのか聞いてみました。

データーを見たところ エコキュートがかなり機能しています。
マイナス10度以下なのにCOP2位はいっていました。
とてもすばらしい結果です。
タンクが室内に置いてあるのも北海道ならではです。

エアコンの暖房効果については 40(14畳用)のエアコンが設置されていました。
北海道なので暖房に特に効率の良いエアコンが選定されていました。
35坪くらいの普通の大きさで決して小さくはないお家なのですが、-10℃以下の北海道でもじゅうぶんのようです。
寝る前にエアコンを止めて 朝また再び動かすというような使い方でも暖かいまま室温が維持されていました。ただ使い方に問題があります。工務店の人はわかってはいるのですがこの家の場合夜スイッチを切るのは損です。お客様はもったいないのでやはり就寝時はエアコンを切ってしまいます。ですので 朝方スイッチを入れたときにフルパワーで運転がされてしまいそこでかなり電力を消費されてしまっている感じでした。寝るときもつけたままの方がトータルの電力は少なくなりますし,深夜電力ですのでとても安くなります。

エアコンの選定として 40を選ぶか22(6畳用)を選ぶかも難しい選択です。
高断熱ですと暖房負荷が少ないですから 大きなエアコンを選ぶと効率が悪くなります。
大きなエアコンの方が元々燃費が悪いですし 動いたり止まったりを繰り返してしまうのでそこでも効率が悪くなってしまいます。断熱性能にあったエアコンの選定がとても重要です。
しかし小さすぎると夏場の除湿能力の問題が出てきます。
北海道ではもんだにはなりにくいとは思いますが 秩父では夏場のじめじめもかなりきついです。
最近のエアコンは温度を下げる効率重視で除湿がされにくい傾向があります。
冷房負荷だけでエアコンを選定すると除湿仕切れなくて快適な感じにはなりません。
少し温度が高くてもからっとしている方が気持ちいいですよね。
どうやって除湿するかがエアコン選定の鍵となりそうです。
エアコンの設置位置もさすが北海道です。考えられています。
すべてのSA(給気)をまずエアコンに当てています。テレビ裏の壁がふかしてあって床下で熱交換した空気を給気しています。温度ムラをなくすために工夫してますね。





2015年9月12日土曜日

できるだけ木を見せたい。木造の防火設計

木造の建物は いいですね。

内装に木を使ってあるととても癒やされます。
できるだけ多く木材を使ってほしいというお客さんの要望も多いです。
私も木がとても好きなのでできるだけ使いたいと思っています。

木は燃えるので、防火をきちんと考えなくてはなりません。
法的な規制もクリアーしなくてはなりません。

今日はその辺を学びに講習会に参加です。
木の建築フォラム主催の勉強会です。
日本中から集まっているのですが わずか15名程度の参加です。
今年度に入って数回にわたって講義を受けてきました。
講義中も質問が自由にでき 最先端の木造の防火設計が学べます。
本当にわからないところが理解できるすばらしい講習会でした。

安全に 法に沿ってできるだけ木を使った建築をする手法を勉強でき
これからとても役立ちそうです。

準防火地域でも 木を見せる建築を作れたり
木造3階建てでも 安全にたくさん木が見せられます。
勉強しなければ 木を見せられないとあきらめて設計するしかありません。
本当に勉強になりました。





大雨の水害

河川が氾濫し 堤防が決壊するなど 大きな水害となっていますね。
私たちの住む秩父ではそこまでのことは起こらないでしょうが 間違えると床下浸水くらいはあるかもしれませんね。
基礎の中に水が入るとなかなか抜けません。
抜いて十分乾かさないとカビなどが発生してしまうでしょう。
電気設備が浸水して壊れてしまうこともあるかもしれません。

当社は太陽光発電蓄電池を扱っているので 昨日から 太陽光発電、蓄電池メーカー各社より連絡が入っています。
太陽光パネルや 蓄電池が水につかり 放電するととても危険です。
感電の恐れがあります。
よく考えてみると 蓄電池メーカーによって このあたりの安全配慮も違うことがわかりました。
コントローラーや接続部が高い位置にありある程度浸水して大丈夫なように配慮されているものと筐体に納まってはいるが、直流電源部が低く少しの浸水で危険で壊れやすいものがあるように感じます。
値段ばかりじゃないですね。

2015年9月4日金曜日

窓を考えたらこうなった。

窓に求められる性能は まずは 「採光」です。
暗い家はいやですよね。
明るいおうちがきもちいいいですね。

建築基準法上は煙を抜くための「排煙」も必要な性能の一つですが住宅ではあまり関係ありませんね。

そして 「通風」 暑い日 風が通ると気持ちいいですし 排熱させるのも必要です。湿気を取る効果もあります。

景色を眺めるための性能もありますね。景色が良いところに窓がないというのももったいないですね。

忘れてならないのが 「日射熱取得」 太陽の恵みを受けお部屋が暖かくなります。

今回の現場見学会の家は窓を考えた家です。

まず 冬場 太陽の光を十分取り入れられるように 南面を日射取得優先のガラスにしています。U値は低いですが、とても太陽の熱が入るペアガラスです。
プラマードⅢに高性能なガラスの組み合わせです。

東西北面は 不必要な熱を出来るだけ遮るよう 日射遮蔽型のトリプルガラスです。
YKKのAPW430というめちゃくちゃ高性能なサッシです。

さらに ハニカムサーモスクリーンで熱を遮っています。
ハニカムサーモスクリーンとはこんな感じで空気の箱ができ熱を通し難くなっています。

南側の窓
こんな感じです。 景色がいいですね。
 デッキ外の 日よけの 外のアウターシェードを下げると こんな感じ
これもYKK

レースのカーテンを引くと

日差しを遮る 決定版は ブラインドシャッター

冬の夜は 熱を逃がさない 室内側断熱戸
20年くらい前に当時スタイロフォームで作っていた断熱戸を納まりを考え直し最近はこれです。

窓は重要!! おもしろい!!




北海道の工務店 視察



パッシブハウスの仲間である網走の光輝建設さんの現場を見せてもらいに行って来ました。素敵な建物をつくる工務店さんです。
仲間の中でも、技術的な話ができ、さらに良い家を作ろうと、話し合える仲間は少ないです。変な妥協に走る場合がとても多い感じがしていて、最近は仲間と話してもつまらない感じでした。ワクワク感がなかったです。ですがやはりこの工務店さんは違います。切磋琢磨していける仲間は本当にありがたいです。今回、話を聞いてすごく刺激になりました。本当に建主さんのために真剣に技術を追求しコストのことも考えています。
この工務店さんは400mmの壁の断熱が標準です。
壁が厚くなると、様々な問題が起こって来ますが、長年に渡り試行錯誤しながら克服しています。
素晴らしい技術力です。
窓の写真がありますが、これは出窓ではないのですよ。壁の厚さだけで400mmの出窓になってしまいます。(笑)